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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
53/98

紹介

「二人の呼び名が決まったなら、私達もするしかないでしょ。私はマスクのままでラビにするわ。ウサギのラビットからラビね」


 ウサギの着ぐるみマスクをした女性が、二人の会話に割り込む形で自己紹介をした。服装は上下赤のジャージ。


「私も私も!! 魔法少女プリティーミミだよ。ミミって呼んでね」


 次は魔法少女のお面をつけた少女。魔法のステッキを所持しているのは体験版で拾った物だろう。流石に魔法を使えるとは思えないが……服装は患者衣。


「記者だ。彼女と同じで職業を渾名にする。カメラの顔もその意味だ」


 カメラのマスクはやはり暗野。紹介と共に全員に【カメラ】を撮っていく。服装はヨレヨレのジャケットにチノパン。


「止めろ。誰もそこまで許可していない。俺は見た目通りでいい。ミイラでも包帯男でも、何とかでも呼んでくれ」


 ミイラ男は暗野の手を弾き、教室の一番端の壁に背中を預けた。服装はブレザーの学生服。


「僕もそうだね。それ以外ないと思うよ。ピエロだよ」


 ピエロの男はマスクだけでなく、水玉のピエロ服を用意している。子供好きなのか、ミミの相手をして楽しんでいるようだ。


「私は特徴がないからね。名無しで構わない」


 真っ白の仮面の人物は中性的な声により、男女の判断が出来ない。服装はスーツ。


 俺以外の紹介が終わったが、この中で学校の記憶が高そうなのはミイラとミミだろうか。全員参加は必須だとしても、ミイラは学校を休んでいる事になる。不登校という可能性がある。ミミに関しては魔法少女よりも、患者衣を着ているという事は、入院している事にならないか?


「残るのは俺だけか。探偵だ。刑事と一緒にある事件を追って、【ボーダーライン】に参加した。巷の怪奇事件も含まれるかもしれない」


 俺は紹介と共に、【ボーダーライン】に参加した理由を伝え、隠見と協力関係にある事も告げた。それはVIP達が刑事の事をプレイヤーに伝えているのであれば、協力関係である事もバレてる可能性はゼロではないからだ。


「そうです。怪奇事件が【ボーダーライン】に関係する可能性があります。私もその犠牲者から参加資格が送られてきました。参加した以上、途中で止める事は無理なので全員が協力関係に」


 隠見は俺の言葉に続けて、【ボーダーライン】の危険性について説明した。だが、その言葉に驚くプレイヤーは誰もいなかった。ミミに関しては子供という事で理解していないかもしれないが……


「まぁ……体験版であんな事があったら、普通じゃないと思うわね。少しだけど、ゲームで起きた事が現実で起きてるだもの。物の位置が移動してるだけじゃなくて、壊れていたり……死んでいたとか」


 ウサギのマスク、ラビが体験した事は全員覚えがあるんだろう。俺自身も埠頭や河相邸の出来事で承知している。それがなければ、全員が納得するはずもないだろう。


「今更抜ける事も出来ないからね。怪しいのは分かってるのに参加したのは、叶えたい願いがあるって事だよね」


 ピエロはミミに手品を見せながら答える。手品というよりも【アイテム】の出し入れをしているだけかもしれないが……


「とはいえだ。協力していくのには問題ないだろ。恐竜の彼が何か言ってたが、クリア達成者は一人だとしても、生き残る事は可能なんだ。一人しか生き残れないデスゲームじゃないからね」


 暗野がそう言うのは、俺との協力関係を良しとするためか? 確かに前回はクリア達成者と生存者はゼロだが、可能性は示唆されていた。


「そのクリアも普通では無理そうな感じだ。様々な意見は必要だと思うよ。VIP達のコメント以外にもね」


 名無しも協力関係に賛成のようだ。いや、恐竜以外はその気持ちが少なからずあったからこそ、この場に残ったのかもしれない。もしくは、【ボーダーライン】のメッセージ通りに動いただけなのか……

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