表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
51/98

十の質問


【ボーダーライン】当日。開始まで一時間を切った。


 俺は事務所のPC前に待機している。隠見は……事務所にはいない。捜査零課が署の中でフォローする事になったらしい。体験版では自身の視点でPCから覗く事も可能だったのが理由だろう。これが本番でどうなるかは分からないが、準備しないよりかはましだろう。


 そして、もう一つの知らせ。河相邸で見つかった血痕付きのナイフについてだ。血液型B型であり、俺の血と一致した。河相夫婦はAとAB、以蔵は血液型の配列からしてB型の可能性はある。


 メイデンは昨日の言葉通り、【ボーダーライン】が終わった頃ぐらいにメッセージを届けるつもりだろう。最低三時間はログインしなければならない。だが、状況次第ではそれ以上に残らなければならなくなるだろう。


 暗野に関して。メイデンと別れた後、情報屋に連絡して、暗野の事を調べて貰った。暗野は記者でありながら、そちらの面にも足を踏み入れていた事から、簡単に情報が降りてきた。


 暗野の親友らしき人物が事故死したのが数ヶ月前。それも【首狩り族】の仕業らしく、暗野はそれを追っていたらしい。そこからある人物と頻繁に接触しており、その人物でつい最近亡くなったらしい。それ以降、暗野は極力部屋に出る事はないようだ。


「親友は【ボーダーライン】が原因で亡くなって、会った人物には参加資格を貰うようにしたのか」


 親友の死が原因だとすれば意外と思うが、暗野は確かに参加資格を持っている。そして、家にいるのも【ボーダーライン】をするためだろう。


【ボーダーライン】開始、三十分前。


 PCに【ボーダーライン】からのメッセージが届いた。


【ボーダーライン】

 開始三十分前です。ログインした状態でお待ちを。その間に幾つかの質問をしますので、【Yes/No】でお答えください。。プレイヤーの答えは、VIP達も見る事が出来る事をお伝えしておきます。


「VIP達へのアピールのためか? とはいえ、まともな質問じゃない気がする」


 俺はメッセージの指示通り、【ボーダーライン】にログインする。


 体験版の以蔵の部屋みたいに真っ暗な部屋。そこに二つの扉の上に【Yes】と【No】と書かれており、その更に上には問題が書かれていた。


【選択肢の解答によって、質問は分岐します】


 貴方は怪奇現象を信じますか?【Yes/No】


 この質問に対して、俺は【Yes】の扉を開けると、質問が違うだけの同じ部屋が続いていく。


 他者の命とお金なら、貴方はお金を取る?【Yes/No】


 状況次第で、貴方は人を殺すのを躊躇わない?【Yes/NO】


 それが女、子供、仲間であっても? 【Yes/NO】


 大切な人のためなら、自身の命を差し出せる? 【Yes/NO】


 嘘を吐くのは間違いではない? 【Yes/No】


 怪異は悪に決まっている? 【Yes/No】


 現実に生きるのはつらい? 【Yes/No】


 最近起きている怪奇事件は【ボーダーライン】が関係している【Yes/No】


 河相夫婦の殺害も【ボーダーライン】が原因である。【Yes/No】


【お待たせしました。十問の質問を終えたようですので、本編の扉が開かれます】


 十問の質問を終えると、二つあった扉は一つだけになり、この先が【ボーダーライン】の世界に入るための扉という事だろう。


 その扉を開くと、九人のプレイヤーが先に待っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ