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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
45/98

違和感

「これは……」


 あの時、【カメラ】に映した全部の写真を見たわけではなく、影人間を調べる事もしなかった。写真を確認すると、影人間が一人だけ映っているのだ。勿論、影人間だから、どんな顔をしているか分からないが、怪異かプレイヤー、影人間に紛れた誰かがいた事は確かだ。俺が殺された時も、近くに影人間はいたかもしれない。


「【ボーダーライン】で撮ったやつですか? 影人間が一人だけ……もしかして、現実の方にも紛れ込んでいた可能性もある!? 警察にもう一人のプレイヤーが?」


 隠見は混乱した。警察に紛れ込んで侵入したからこそ、この中に映った可能性はゼロではない。警察にもう一人のプレイヤーというより、VIPがいるのも疑える。謎がまだ多すぎるのだ。


「今更か。影人間を全員調べなかったのも、警察に紛れ込んだ奴がいたとしても、その機会を逃したんだ。気に止めとくだけにしておこう」


 次は二階。以蔵の部屋だけでなく、血文字に銃痕、監視カメラの映像の場所もある。


「ここからが本番って感じ? バラバラにされた商品とか本当にいらないから。弁償とか警察が払ってくれるわけでもないし。二階はそんな事ないわよね」


 メイデンの機嫌が少し悪くなったのは、コレクションルームの品物がバラバラにされた状態だからに違いない。その中に彼女の私物があったのかもしれない。


 家族の肖像画を通り過ぎ、二階へ。そこから違う場所に入る……という違和感はない。再度、河相久内の姿も見えなかった。


「うわ~……一階と全然違う。嫌な感じが残ってる……というか、何か気持ち悪い」


「私は何も感じないですけど、そっちは河相宗が出た場所じゃないですよ」


 メイデンが向ける先にあるのは以蔵の部屋。何もない真っ白な部屋であり、隠見から送られてきた写真には『Welcome to Borderline』と書かれていた曰く付きだ。そして、【ボーダーライン】では部屋の色が反転し、謎の扉があった。怪異がいるのではなく、怪奇現象の類だ。


「以蔵の部屋がある方だな。気持ち悪いというのは? いつもと違うのか?」


 メイデンは怪異、怪奇現象を見つけて、恐怖や怯え、時には怒る気持ちを出した事はあるが、気持ち悪いと言葉にした事はなかった。


「どう言っていいか分からないんだけど、中途半端な感じが気持ち悪い」


【ボーダーライン】はゲームでありながら、怪奇現象を生み出してる可能性がある。つまり、科学が怪奇を作り、偽物だからこそ気持ち悪いのか? そもそも【ボーダーライン】自体が怪奇現象なら、話は変わってくる。


「なら、以蔵の部屋に行くのは後にしよう。監視カメラの場所と絵画を確認したら、メイデンは外に出てもいい」


「大丈夫。協力するって言ったでしょ。その確認のために、屋敷に入れて貰った事もあるんだからさ」


 メイデンは律儀に屋敷に入れた事の恩を返すつもりらしい。


「家族の肖像画の場所から上がってすぐそこに、監視カメラはあるから、ここからが映像の始まりになると思いますよ」


 隠見の指差す方向にあるのは河相家とは無関係な人物画。その瞳が監視カメラのレンズになっている。これは簡単に見つけられる物じゃない。


「家族もしくは、親しい人物しか監視カメラの場所が分からないのも納得だな。この絵に怪異は?」


 この絵を通して、怪奇現象に至る事はあるのか?


「大丈夫。単なる安物の絵だよ。監視カメラを付けるぐらいし……あれ? 私の絵がない。位置が違う……事はないよね」


 メイデンは動画と廊下にある絵画、位置を見比べている。今あるのは真っ黒な風景の中に不気味な扉が開いてる絵だ。それは【ボーダーライン】の以蔵の部屋に似ているかもしれない。

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