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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
44/98

【カメラ】

「河相久内の姿が見えた……すぐに消えてしまったが」


 だが、それは一瞬と言うべきか。俺達を見て驚き、二階の廊下へと逃げる途中で姿が消えてしまった。前回の送り犬の時は視線と遠吠えが聴こえただけだったが……


「息子の宗ではなくですか? さっきまで体験版をしてたから、幻を見ただけなんじゃ」


 目の錯覚。河相久内は体験版と同じ行動をしただけなのかもしれない。だが、それを見ていたのはVIP達であり、俺はその姿を見ていない。俺自身がイメージしただけなのか?


「俺は河相久内が逃げる場面を見てないんだが……それは隠見も知ってるだろ?」


「真実さんの視点でしたから。でも、あの肖像画を見るとイメージしてしまうかも」


 隠見も河相久内が逃走する場面を見ていない。現実から見ているはずが、河相久内の姿が見えなかったのは、体験するのとは別なんだろう。


「まぁ……怪異を見るのにも、条件が必要だったりする時もあるから。探屋が見たのなら、それでいいんじゃない?」


 メイデンは怪異や幽霊だとは認めていないし、幻という事も否定しない。『見た』という事実だけを信じた形だ。


「何か伝えたい事でもあったかもしれないし」


「……あれか?」


 ……血文字のダイイングメッセージ。他のプレイヤーなのか、目を潰された事で見る事が出来なかったが、現実の方に残されているのか? だが、河相久内が逃げたのは反対方向だ。


「調べるのは一階からでいい。まずはコレクションルームがどうなってるか確かめたい……いいか?」


 隠見に確認を取る。鑑識が調査を終えていても、無闇に動かす事はしない方がいい。俺は指紋をつけないよう、手袋を付けた。


「無闇に動かさければ、大丈夫です。メイデンさんも触れるなら、手袋はしてくださいね。下手に疑われないためにも」


「指紋を付けないようためね。必要な時以外は触らないわよ」


 俺は隠見とメイデンが話をしてるのを余所に、体験版の河相邸に入った部屋を順番に巡っていく。


「ここは……河相夫婦用の部屋か? いや、猟銃が置いてあったのなら河相久内のコレクションルームか?」


 最初に入った部屋。塗り潰された絵は河相夫婦二人の自画像画。それだけが綺麗な状態で、他は荒らされている。ただし、俺が手にした猟銃はそこにはなかった。


「隠見……【ボーダーライン】だと猟銃はあったんだが、実際にあったのか?」


「あ、ありました。けど、無くなってる? これも【ボーダーライン】の影響ですか。それとも警察の目を掻い潜り、屋敷に侵入した? 監視カメラはすでに機能してないし」


 猟銃の消失。警察が警備している状態で不法侵入、及び銃器を持ち出す事をする人間はいるだろうか?


 次に書庫、鏡、人形の順に。全てが【ボーダーライン】と変化はない。あるとすれば、鏡と人形の肖像画。あれは母親の絵である事が判明したぐらいだ。


「これも怪異の仕業じゃないわね。鏡や人形なんて、怪異が現れてもおかしくないし、持ち主が殺されてるなら尚更ね」


 河相宗が屋敷に現れたのなら、壊された恨みで母親の霊がこの場所にいてもおかしくはない。怪しい母親も絵も置いてあるからだろう。


「あの映像は、その【ボーダーライン】での出来事じゃないの? 別のプレイヤーが動画を映したとか?」


「いや、持ち物に動画を取る機能はない。【カメラ】機能があるだけで、出来るとしたらVIPもしくは、【ボーダーライン】の制作者だと思う」


 ここで【ボーダーライン】内で撮った写真の事を思い出した。一階内部と、影人間……警察達を映したわけだが、警察達は【カメラ】に映る事はなかった。

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