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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
11/98

品評会

「信じるかは別として、参加はするか。そのためにも、隠見にメッセージを送っておかないと駄目だな」


 俺が【ボーダーライン】に参加するとなれば、隠見が担当を継続する可能性が高い。連携を取るためにも、互いに知っている間柄が良いのは上司連中も分かるはずだ。職業から自分の方が上だと思う奴だったら、こっちはたまったものじゃない。


 隠見にメッセージを送った後、【ボーダーライン】に参加するためのボタンをクリックする。すると、【ボーダーライン】からの追加メッセージと共に、ゲームのダウンロードが開始された。


 ご参加ありがとうございます。開催まで少しお時間がございますので、その間に体験版をお楽しみください。


 体験版はソロプレイとなっています(チュートリアルも含まれています)。時間は一日三時間、これが最低限プレイしていただく時間です。


 ログアウトの際、怪我は自動的に回復します。死亡してもログアウトになるだけですが(本編では異なります。回復するためには道具が必要です。死亡時は条件を満たさない限り、ゲームオーバーとなります)そして、その日はログイン不可になるのでご注意ください。



 品評会の場でもあります。貴方の取る行動により、興味を持たれます。


【ボーダーライン】と繋げる際、必ずスマホも一緒にお願いします。ゲーム内で同じ物を使う事になります。



「なるほど……河相宗が書いた日記と照合出来る部分はあるが」


 彼の日記に回復する道具の重要性は記されていたが、復活する条件は何も書かれていなかった。それほど難しい事なのか。


 品評会。気になるワードだが、河相宗の日記と照らし合わせると嫌な感じがある。『VIP』という存在がいて、『アピール』という言葉があると、俺達プレイヤーが評価するのではなく、評価される立場。それによって恩恵が違ってくると考えられる。


「考えてばかりもいられないか。まずはどんなものか体験しないと」


 参加決定者は八人。俺も含めて九人になるが、体験版が一日三時間と決められてる中、先に決めた日数だけ経験の差が出てくる。それを埋めるためには、考えながら動かなければいけない。


 刑事の参加者が隠見の場合、協力関係になれるが、他の参加者は違う。河相宗は一緒に行動した相手、カエデという人物に裏切られたと書いていた。


 これを事前に知れたのは大きい。そういう風に仕組まれる事もある。例えば、クリア達成者は一人しか無理なら可能性はある。とはいえ、一人だけしか生き残れないわけではないと思う。


 それは【ボーダーライン】終了時、クリア達成者、死亡者以外に、0だったが生存者の枠があった。願うを叶えるには条件は必要であり、生存する事とは別だと考える事が出来る。


 俺はPCと自身の体にVRコードを繋ぎ、スマホも忘れずに持っていく。そして、【ボーダーライン】と言葉にすると、PCがゲーム画面に切り替わる。【ボーダーライン】の題名が血文字のように垂れていき、それが境界線のように広がっていく。そう認識すると意識は一瞬にして途切れた。


 これはフルダイブする時、脳の認識を切り替えるために起きる現象だと言われている。ゲームによって、自身とは違う姿、アバター決定時に必要との事だ。


 今回は目の前に鏡があり、くたびれた黒のジャケットとジーンズを身に付けた男、俺の姿が映し出されている。


「俺の名前は探屋真実。この姿以外の何者でもない」


 俺の声だが、俺が発しているわけじゃない。鏡に映っている俺の口が言葉を告げている。この確認はアバターは現実の自分自身と変更は不可能という事なんだろうか?


「お前はその名前から何と呼ばれたい? 探屋? 真実か? それとも探偵の方がいいのか?」

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