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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第一章 開始前
1/98

好奇心は猫を殺す

『好奇心は猫を殺す』という言葉がある。猫は容易に死なないが、好奇心旺盛があるが故に死んでしまう。『過剰な好奇心は身を滅ぼす事がある』という意味合いを持つみたいだ。


 それは夏恒例の怪談ありき、心霊スポットに危険と理解しているのに踏み込み奴等に当てはまる。


 都市伝説、怪奇現象もその一つ。【口裂け女】や【メリーさん】、【不幸の手紙】等も数に入れよう。


 百人中百人がそれを調べても何も起きないかもしれない。でも、千人の中だったら? 一万人の中でなら一人は体験している。でなければ、都市伝説等は生まれてこない。


 そして、それを利用する人間達がいる。都市伝説を利用しての人為的な殺人。これが尾ひれを付けて、噂として広がるケースもある。


 ある意味、これも好奇心の一つかもしれない。噂が広がればどうなるのか? 一つ事件が増えれば、違う場所で新たな噂が生まれないか。


 殺人に対しても当てはまる時もあるが、この場合、人間は理性があり、余程の事がない限りは好奇心に負ける事はないだろう。


 だが、ある境を期に好奇心による危険性が減少した。VRゲームのフルダイブ化、VRMMOが台頭したのが理由の一つだと思う。


 VRMMOの主流は異世界ファンタジーのRPGなのだが、FPSやホラーも人気がある。ゲームとして楽しむだけでなく、擬似的にではあるが恐怖体験、互いに殺し合うのを経験出来る事が大きい。


 勿論、例外はある。現実とVRの区別が付かない、ゲームとの違いを知りたい欲望により、現実の方で人間を殺害する事件も発生している。


 そして、ある噂がネット、SNSを通じて、人々に伝染する。


【とあるVRゲームは未だ攻略者0】

【とあるVRゲームの参加者はクリア出来ずとも、上手く行けば億万長者に】

【とあるVRゲームはゲーム内で起きた事が現実に】

【とあるVRゲーム参加者は猟奇殺人事件の被害者】等……


 これが別々のゲームではなく、同じゲームとして探し求める者が増えていく。『大金GET』だけでなく、『ゲームで起きた事が現実』になる事と、『猟奇殺人事件』というのが好奇心を生まれさせる。


 これはVRゲームが起こす怪奇現象なのか、それを利用した人間が起こした犯罪に過ぎないのか。


 それを調べるのが一探偵に過ぎない俺、探屋(さがしや)真実(まこと)が受けた依頼だ。


 その依頼を受けた経緯まで、時間を少し(さかのぼ)ろう。

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