2. 後手および裏目、そして「人を呪わば穴二つ」
第14話です。
アレから7年経ったルブラン帝国を見てみましょう……見て…………
うっわ、雰囲気悪っ
このところ何をしても裏目に出ているような気がする。
異国民を掃討させれば、親は死んだが子供は逃亡(全員7歳以下だったのに)。
国境の橋が壊れたのを放置すれば、異国民の手で勝手にかけかえられてしまう。
異国で流行っているとかいう薬で大人1人をグダグダになるまで衰弱させるはずが、見事に回復。
それもこれもすべて異国民のせいだ。
異国民が我が帝国に紛れ込んでいるからだ。
奴らは優秀なる我が帝国人民に悪影響しか与えない。
よって、徹底して排斥せねばならん。
入国させない方針を打ち出そう。
皇嗣妃殿下のお気に入りかもしれんが、あの行商人の入国も制限しよう……一気になくすと陛下のご機嫌を損ねかねないから、まずは今の無制限入り放題から回数制限だな。
異国民なんぞに我が帝国領内を自由に徘徊されてはたまったものではないわ!
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「妃殿下、このたび我々は入国を年4回までと制限されてしまいました」
橋がきれいで丈夫になってから7年。
品物も運びやすくなっていたのに、入国制限がかけられてしまった。
宰相の側近の中で一番目つき悪い奴が俺を呼びつけて一方的に言い渡して追い払われたところだ。
「今年はもう既に3回来てるから、今回で4回。だから来年まで入国禁止だと言い渡されましたよ」
側近の奴からにらまれながら言われた事を伝える。
「え、嘘でしょ……今年はまだ半年以上あるじゃない」
タr……皇嗣妃殿下が声をあげる。
「文句言ってくr…」
「やめてくr……おやめください、それは……いろいろ危険が伴うから」
並の危険じゃなく、最上級の危険。
バレてヘタうちゃ今まで続いた皇帝一族絶滅の危機。帝国の破滅だよ。
宰相一族とその取り巻きの真の目的が何なのかはわからんけども、「異国民は抹殺・その係累は捕縛(死んでもかまわん)」ってのは既にやっちまってるって公然の秘密らしいから(エンリコさん情報だけど)……まことしやかに流れる噂どおりだと、皇嗣妃殿下が殺され皇帝陛下皇嗣殿下継嗣殿下が生死問わず捕縛、の危険が多分にあるわけだ。帝国の根幹を揺るがす大騒動になっちまう。
もちろん、皇嗣妃殿下の係累だから俺と父さんも含まれる。
ヤバいだろいくらなんでも。
ここで死んだら俺はともかく父さんを母さんの墓の横に誰が葬るんだよ。
「危険……そうね危険だわ確かに危険よねええそうよね……」
思い直してくれたか。
「今年は今回にて最終との事ですので、手持ちはすべてお渡しいたします。来年早々また参りますので、ご入用の物のご用命を多めにたまわりとう存じます」
父さんが一部を強調して言った。
次に来る時はてんこ盛りで持ってきてやるから、それまで今ある分でなんとか乗り切れ……と言ってるように聞こえたのは気のせいか?
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ヴァルジめ。
何の目的でローウェル親子の行商までしめ出すのか。
彼らの品物が定期的に手に入らないと、困るのは自分達もだというのに。
10年ほど前からお前が愛してやまない果実蒸留酒だが、あれは我が国ではまだ生産されておらぬ貴重な輸入品なのだぞ。
お前の妻が楽しみにしておる続き物の書物も、ローウェル親子が運んできておるのだぞ。
香辛料・調味料も菓子類も、以前はなかった珍しい物のほとんどがたいがいローウェル親子の手によって運び込まれておるのがわからぬのか。
自称美食家のヴァルジ家の食卓が貧相になるというのに。
愚かだな。
アーネスト、ジョシュア。
今回果実蒸留酒はこのまま持ち帰ってください。
次回から持ってきてくださらなくてかまいません。
その分生活必需品をお持ちください。子供が好きそうな菓子類も多めにお願いします。
食事はしなければ命にかかわりますが、果実蒸留酒は飲まなくても死にはしませんから。
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「お義父様、本当にそれでよろしいんですか?果実蒸留酒はお義父様もお好きですのに……」
ルブラン帝国、鎖国への道を突き進むような…………
絶対君主制とちゃうんかい……
っちゅうかこの国宰相にどんだけ権限あんねん(作者のさじ加減次第ですが)
異国民のせいだ、なんて言ってますけど
それ、全部宰相の自業自得ですやんか。
掃討しなければ、逃げられなかった。
放置しなければ、自分達も再建の際に意見が出せた。
そして一服盛らなければ(違)、回復されたと憤ることもなかったわけで。
完全に私怨の域!!!
それから、ジョシュアくーん。
お母さんの横でお父さんを眠らせてあげたいのはわかりますけれども………それ、縁起でもないっちゅうねん!!!
(お父さんまだ死んでない生きてる)




