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アルヴィノーラの森で  作者: ありかわつぐみ
第3章 7年
13/81

1. 将来への期待と不安と不安。


第13話です。


新章に突入しました。

前回から5年経っております。


子供達は皆、少しずつ成長しております。

男の子ならではの羞恥心も若干めばえたかも。


そして大人達もいろいろと思うところがあるようで……。







私は、14歳になった……んだと思う、たぶん。

というのも、7歳位からの記憶しかないから。

最近では7歳でこの世に産まれて来たようなもんだと思う事にしてる。

だっていくら時間をかけて考えても、アンソニーさんに声をかけられた時以前の事が思い出せないんだもの。

……自分の本当の名前すら、思い出せないんだもの。


何も思い出せないなら、無理しなくていいんだよ。

何も思い出せないなら、これから作っていけばいいんだよ。

いろんな人がそう言ってくれた。

一番たくさん言ってくれたのが、マリリンおばちゃん改めマリリン先生。

夜中に目が覚めたら部屋が真っ暗だったから怖くて泣いてたらとんできてくれたり、なんだかお母さんみたい。


次にたくさん言ってくれたのは、お隣のアリアドネさんとクロードのおじいちゃま。

おじいちゃまは軍の偉い人だから、本当は剣を持った人や鎧着てる人が近くにいるはずなんだけど、私の目につかないようにしてくれてるみたい……私が抜き身の剣や鎧が出す金属音を怖がるのを知ってるから。


お母さんやおじいちゃんがいたら、こんな感じなのかな……私にもどこかに本当のお母さんやおじいちゃんがいるのかな。



「エレナー!薬の納品に行くよー!」

先生が呼んでる。

さて仕事だね。


最初の薬剤師資格試験が受けられるまで、あと1年。

受けていいんだと思う、たぶん。

本当の誕生日がいつなのか、本当に今私が14歳なのかわからないけど。




――――――――――――――――――




エレナおねえちゃん、ほんとに薬剤師やるんだぁ。

マリリンおばちゃんの事「先生」って、他のおねえちゃんやおばちゃんとおんなじよび方してるもんな。

来年だっけ、試験受けるとか言ってたけど、大丈夫だよ1回で合格だよね。だってずっと勉強してたから。


僕は……何になるのかな。

母さんはおばあちゃんからもらったっていう土地をかんりしてる……ってもよくわかんないけど、僕もそれやろうかなって思う。

たぶん、母さんだけではムリだと思うんだ。

土地かりてる人の中には、母さんが「おじいちゃんの娘」だからかりてるって人もいて、なんかイヤな感じの人が何人かいるんだ。

おじいちゃんもそう思ってるんだと思う。だからだと思うんだけど、サイラスおじちゃんとおじちゃんのおくさんのレベッカおばちゃんが何年か前からうちにいて、僕はおじちゃんがいそがしくない時いろいろ教えてもらってる。


僕が大人になったら、母さんのあとつぎやろうっと。




――――――――――――――――――




エレナを迎えに来る人は、見つけた日から7年経っても来ていない。

この先ももう来ないものと思わなくてはならないかも知れない。

うちの娘になったようなもんだとは思う。

いつの間にかオレを「アンソニーさん」と呼ぶようになって……以前は「おじちゃん」だったのになあ。何かちょっとさびしいなあ……オレこの容姿だから「おじちゃん」って言ってくれるの嬉しかったんだけどなあ。

マリリンの事は「先生」だ。これは仕方ない。薬剤師館の館長と所属している薬剤師見習いの関係だからな。

モーガンは……モーガンのままだな、前も今も。

わんぱくな弟の扱いだな、あいつの場合。

そう言えば隣のクロード君もエレナから見れば弟みたいな扱いになってるよなあ……こっちはおとなしい弟扱いで。

……ある意味、クロード君とうちのモーガンは双子みたいな扱いなのかな。




――――――――――――――――――




来年エレナがCクラス薬剤師試験を受けるにあたって、資格協会に問い合わせしたんだけど……答えは「現状のままだと、将来的にSクラスの受験資格は与えられない」って事だった。

そりゃそうなるよね。Sクラス薬剤師や特級医師は国王陛下に拝謁できる身分だから、誰でもなれるわけじゃない。刺客だったらマズいから、身元が胡散臭けりゃなれないってわけだもの。

とりあえずAクラスまでは取れる事はわかったから、当面の目標はそこまでという事にしておこうかね。Aクラスなら、個人で商売できるから。

私と同期でSクラスに合格した子は薬も売れる行商やってる家の娘で、お母さんはAクラスだって言ってたっけ。

薬の行商人育成に力をいれてる薬剤師館も以前よりたくさんあるけど、うちは普通の家でも普通の薬剤師館でもなく「森番の番小屋」でもあるから病人よりけが人(主に森番)が多いから、エレナが実戦力あるAクラス薬剤師として育ってくれたらありがたいね。




――――――――――――――――――




オレ、こないだけがしたんだ。

クロードがアリアドネおばちゃんみたいに仕事できるようになりたいって言ってたから、「じゃあ馬に乗れるようになろうぜ」っつって父ちゃんから馬かりたんだよ2頭。

クロードはさ、おじいちゃん軍人さんだしおばちゃんも馬に乗れる人だからか、1回でうまく乗ったんだ。

ダメだったのはオレ。

乗ろうとしたらいきおいついてて逆側に落ちた。

落ち方がなんかおかしかったらしくて腰をメチャクチャ打った。

母ちゃんがみてくれる……のかと思ったらAクラスになったばっかりのねえちゃんでさ、みるから!っつってズボンと下着をいきなり一気にはがされちゃって。

たしかに、打ったとこ腰だよ?

ズボンじゃまだよな。

でもさ、下着まで同時に一気にいくことないじゃんよ?

一応きいてくれよ、ぬがせていいか位!

いきなり出るんだぜ()()が!

ねえちゃん達だっていきなり見たくないだろ()()

っつか身内じゃねえ女に見せるもんじゃねえだろ()()

身内でもできれば見たくねえだろ()()

こっちだって好きこのんで見せたくねえわ()()


お医者だったら()()()もどうってことないよ、だってお医者ってじいさんかおっさんかにいちゃんだもん。

だけどなー……薬剤師に()()出すのって……オレ、イヤかも知れねえ。

かも、じゃねえ絶対イヤだ。

他にも()()見られた男けっこういるんじゃねえかな。



よし、オレ……男が恥ずかしくならなくてすむ薬剤師になろうかな。






顔面凶器なアンソニーさん、女の子のお父さんの感覚になってまっせー!エレナちゃんはアンタの娘ちゃいまっせー!


そしてモーガン君は……腰を強打して治療を受けた事で、何か思うことがあるようです。

……発端は「人為的ポロリ」w

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