運命の別れ道
ある日の事。五十嵐藜と浅葱はいつもの様に二人で鍛錬していた。
浅「なぁ藜。少し休憩しないか?」
藜「嫌だ。もうちょい鍛錬する」
浅「そうか。じゃあ俺は休んでるな」
藜「おう」
などと平和的な会話をしていた。
もう少し、もう少しと鍛錬を重ねている内に夕方になってしまった様。
藜「あれ、もう夕方?」
浅「本当だ。早いな。終わるか?」
藜「俺はまだやってる……?」
ふと修練所の入り口から音が聞こえる。
何事だと思い音がする方を振り向く。
藜&浅葱「兄さん!」
二人で同時に声をかける。
そう。彼らには兄がいたのだ。
今は亡き兄が。その兄は渚と言った。
浅「兄さん、どうしてこんな所へ?」
笑顔で近付く。渚は何も反応しなかった。
否、反応しなかったのではなく自身の持っていた刀を抜いて
近くにいた浅葱をターゲットとして捉えたのだ。
藜「?………兄さん?」
何か異変に気付いた藜。
咄嗟に渚に近寄り服の裾を引っ張る。
藜「兄さんどうしたの?大丈夫?」
と言うと心配そうな眼をした。
けれども渚は一言も発しない。
それどころか藜の脳天目掛けて刀を振り下ろしたのだ。
藜「ッ!!!!!!!!!!!!兄さんッ………やめッ……」
咄嗟に刀を抜き出すと渚の刀を自身の刀身で受け止める。
浅葱に関しては何がなんだか分かっていないようだった。
???「流石、渚の弟さんだ。すぐに刀を受け止められるだなんてね」
??「ほんと、凄いよな。関心するよ」
浅「アンタら…誰だよ。出ていけ」
渚の後ろに突如と黒い影が現れる。
浅葱は出ていけと命令するが出ていく筈がない。
刀を握ると2歩後ろへ後退した。
藜と浅葱はまだ気付かなかった。
渚が操られているという事に。
藜「ッ………兄さんやめて!」
刀を弾き返すとすぐに浅葱近くまで下がった。
??「哀れだな。これから殺られるというのに」
藜「殺ら……れる……………?……ッ!!!!まさか…」
藜は薄々感づいていた様だ。
兄さんを返せ。
そう言おうとした瞬間の出来事だった。
目の前に渚が現れ、刀を振り下ろされた。
突然の出来事で動ける筈も無くその場にへたり込んだ。
もう駄目だ。
と考えた時、再び目の前に人が現れ自分の盾になったというのだ。
藜「ぁ………あさ……ぎ……?」
そう。盾になった人物は実の弟、浅葱だった。
浅葱からとめどなく溢れる血を必死に止める。
藜「おい…浅葱…嘘だよな?嘘って言えよ。なぁ」
藜の中で何かがプツンと切れた。
大切な弟を傷付けられた。
「…………ろす…………ころす」
兄だろうが誰だろが知らない。浅葱を傷付けた奴は許さない。
「殺す」
光の無くなった目で渚を睨みつけるとすぐに刀を取り出し
目にも止まらぬ速さで滅多打ちにした。
ふと時間が立つと自我を取り戻した。
自分は何をやっているんだ。何故ここにいる。
そう思い辺りを見渡す。
藜「ぁ……あぁ………」
足元には人であったであろう物が転がっていた。
言葉にならない。浅葱は何処だと焦って探し始める。
藜「いた…………浅葱………」
そこには瀕死の状態の浅葱がいた。頭の中が真っ白になる。
ゆっくりと足を動かして浅葱に近付いた。
藜「大丈夫……な訳ないよな。ハハハ………」
乾いた笑みを浮かべた。
浅葱の出血している箇所を止血すると再び肉塊の近くへ歩み寄った。
藜「兄………さん………?兄さん………なの……?」
兄の身につけていた物、兄の使っていた武器が転げ落ちていた。
自分の手を見つめる。
赤黒く染まった手、服、足元。
藜は悟った。これは自分がやってしまったのだと。
自分は人殺しなのだと。
藜「ぁ……………ぁ…あぁ……ぁ…」
その場に両膝を付くと俯いて嗚咽を溢し始める。
次第に涙も流れ始めてきた。
藜「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
ひたすら謝った。誰に向けてなど分からない。
藜「ウッ………あぁ……あぁ…ああああああ……」
嗚咽から弱々しい叫びへと変わる。
泣き叫ぶ藜に気付いたのか誰かが修練所へと入ってくる音がした。
そんな事も気にせずただただ泣き叫んだ。
あの日から彼、藜は
変わった素振りを見せまいといつも通りに過ごした。
今日も彼は『元気で笑顔』に過ごしている。
人殺しという事を悟られないように。
だいどぅです。書いてみたはいいんですがめっちゃ文構成おかしいですね()
文作るの下手くそマン&語彙力ないマンなので許してください()
これから頑張ってかけるようにしまする…