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ハンティング開始
「よぅ」
その男と軽くハイタッチを交わす赤衣、「よぅ、サザエ鬼」
男は、年齢不詳で、薄く開いた口をした、紫の着物の男である
「よぅ、赤衣」
この男こそ、すべてを知る妖怪であり、そし赤衣の恩人である
泣き崩れる、赤衣に一冊の本を、手渡した男であり
そのあと、赤衣に「サバイバルの先生」を紹介した男でもある
「こんにちは」
「こんにちは」
こちらは他人行儀
「じゃあ行くか―旅へ」
もちろん歩きである
ここから山に入る
妖怪はそもそも、「ある事柄についての専門家である」
元々ないとされてた存在もしくは精霊たち、それらないものとあるものが、例えばないものでは
夜道に何かを見たとか、精霊なら木の上にかわいい精霊がいる、とかで
何もなくても信じ切れば生まれるものがある
それは量子力学である「あるものを何の一般も疑わない状態になると」生み出されるものがある
そして妖怪は、また妖怪になった者たちは物理的に、死なない限り、生き続ける
だが、専門家ゆえにやらねばならないこともある
それが、いつまでなら、今この時である