赤衣
「何かを亡くした気がするの、忘れちゃダメな何かを」
豪邸のベッドでしくしくとなく人、黒丸蛍
「思い出せない、思い出さないといけないのに」
そんな彼女の部屋に彼女の父親と、知らない女が来る
「お父様、、、そちらは」
「赤衣、と申します、お嬢様ーこれからよろしくお願いします」
パジャマ姿でベッドで寝ていた人は、新しく着た人を見て慌ててベッドから出る
「こちらこそー?」
「どうされましたか」
その赤い瞳の中に何か知ってるものを見た気がする
「ところで、こお、、、、赤衣様は、お食事はいかがされます?」おいて、迫力のある白髭の親父さんが打ち解けた感じでいう
「そりゃもちろん食べ、、、、いただきます、ありがたく」軽い、友人に話しかけるような、そんな口調である
父親と赤衣はかって知ったる中であると、雰囲気にさとい、彼女は気づく、気づいてしまう
「もちろん、黒丸、、、蛍様もお召し上がりになられますね、大丈夫ですよ!にんじんはいれてませんから」
「ありがとうございます」
「別にいいよ、、いいでございますよ、蛍様」
にかっと笑う女に既視感を覚える
そのあと
ご飯を食べながら
蛍が、千年に一人の特殊な力を持つ人間であること
特殊な力とは、生涯に一度人間から特定の事柄の記憶をなくす力
それを解除するには、各地に散らばる石を拾い集めるしかないこと
そして、そのためには旅をするしかないこと
そして、旅のお供を買って出たのが赤衣というわけ、赤衣は「とある物質」を埋めてもらう代わりに、手伝うということである
「うん、わかった―奈良、さっそく今日からよろしくね、赤衣」