真夜中の悲劇
「うわあああああああああああああああああ」
その少女は工場の中で泣く、鳴り響く非常サイレン、水を吐くスプリンクラー
そして、少女は同じサイズの人を抱えてる
その人が彼女の何なのかはあとで教える
「いやだーいやだーいやだあああああああああ」
この少女は、このとき15歳
そして、この事件は彼女にとってもまた世間にとっても大きなものとなる
のちに「赤い衣事件」と呼ばれる事件から3年後
「左手に」呪われた印をつけた女がいる
3年前の少女である、彼女は妖怪いつまで、あかごろもはいつまでっていう個体名、赤衣、緑の甚兵衛を着た妖怪である
赤い両目、鋭く伸びた牙が、特徴の妖怪である
その女が、走ってくる
人間、黒丸蛍
「ご、ごめーん、遅れちゃった」
おっとりとした外見に、少し長い髪を、後ろでまとめてる
くりくりの瞳、そして優しそうでふんわりとした、掛布団のような暖かをさもつ人
「うん、いいよーっていうかさ、それ何」
それは何だろう腕につけるのであろうか、少し重そうである
「これ、赤衣にさ、あかごろもはいつまでっていう妖怪には珍しく追わないって決めた、妖怪の力を失うと
バカだよねーでもさ、そういうとこ好きだと思う、あでもさ、これはつけてると1か月に一回くらいは力使えるって」
赤衣の力それは、もう使えない
首を振ると突っ返す
「いいよ、妖怪としての力は使えないし、使わない」
そのうえでニッと笑う
「じゃあ、行こうかあいつが待ってる」