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途切れた糸

 ✿


 御楯頼知>ありがとうございます

 イツキ>こちらこそ

 御楯頼知>また連絡します

 イツキ>はい


 ────────────────


 と言うLINEが最後。

 まあ、マメに連絡をくれるタイプじゃないのは知ってるし、こっちもマメに連絡をするタイプではない。


 でも、この翌日に送って以降のメッセージに既読がつかない。


 ────────────────


 イツキ>夏、満喫してきました!

 イツキ>暑い中、汗だくでバーベキュー

 イツキ>そしてプール

 イツキ>写真は恥ずかしいので送れません


 ────────────────


 送った時は、確かに少し浮かれていた。

 読み返し、少し後悔。


 ────────────────


 イツキ>行きたいところ、決まりました?


 ────────────────


 この時も。

 一緒に行くならば何処でも良かった。

 まあ、限度はあるけれど、それでも目黒の寄生虫博物館でも一緒なら楽しめるんじゃないかなとかそんな風にさえ思っていた。


 ────────────────


 イツキ>あれ?

 イツキ>お忙しいです?


 ────────────────


 それから三日後。

 一向に既読にならない状況に耐えられなくなり、送るもやはり既読にならず。


 これは、もしや嫌われたかな?

 そうならそうで一言欲しかった。


 でも既読マークがつかない画面を眺めるうちに違う可能性を思い浮かべる様になる。


 もしかしたら、彼の身に何かあったのではないか、と。


 考えてみれば私は彼の事をほとんど知らない。

 通っている学校も、住んでいる家も。

 普段どんな風に生活しているのか全く知らない。


 だから、彼に何かあって……二度と連絡が取れない様な事になっていたとしても、私にそれを知る術はないのだと気付いた。


 彼に嫌われ無視されているのと、彼が……死んでいて二度と会えない、そんな状況なのと、果たしてどちらが良いだろうかと考える。

 でも、そのどちらにも等しく救いはない。




 それ以降、LINEは送っていない。

 何度も送ろうと書いて、また既読がつかなかったらどうしようかと考え、もし既読がついて、でも返信が無かったら……やっぱりどうすれば良いのかわからない。


「何か、言ってよ……」


 何度も見返した画面にそう呟く。

 返事なんてあるはずも無いのに。









 あ、ちょっと待って。

 そう言えば……。


 ✿

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