夏実さんと。
「御楯」
「……何だよ」
「もう一回!」
「……勘弁してくれ……」
「もう! 一回!」
「もう無理」
「何で!」
「腰痛い!」
道場の床に寝転び、もう一本と組手をせがむ戦闘民族夏実の頼みを全力で拒否する。
「だって、手加減してるでしょ!?」
「して無い」
そんな事したら身が持たない。
幾度となく投げ飛ばされ、受け身こそちゃんと取っているがそれでも痛い。
「なら何で腰が引け気味なのさ!」
あのさ。
こっちはうら若き男子な訳ですよ。
いくら組手とは言え、女子と肌を密着させてたら体がくの字に成らざるを得ない訳ですよ。
おかしいなぁ。
前はそんな事無かったのに。
「こっちは! なんかわかんないけど超絶八つ当たりしたい気分なの!
暴れたいのよ!」
なんでだよ!?
なんなの? その欲求。
「それに今日は一日付き合うって言ったじゃん!」
「内容知ってたら断ってた」
「酷い!
じゃ、何なら良かったのよ!」
おま!
それ、聞くか!?
道場の床に足を投げ出して座る夏実が口を尖らせる。
「………………デート」
たっぷりと時間を置いて顔を背けながら蚊の鳴くような声で返す。
嗚呼……何て小心者。
「…………うす」
それよりも小さな声で、OKが来た。
イチャラブとか、こんなのしか書けませんよ!(逆ギレ)




