金色の転校生
亡者の群れの中で⑦’ より続く
千殺月。
一夜にして千の禍を祓ったと言う伝説の直毘。
彼女はまるで、息をするが如く術を繰り出したと言う。
それは良い。
まだ、設定の内だ。
それよりも……火雨花落。
あの刀はいつの間に俺の体に宿った?
そして、飛渡足。
禁呪。
それを使った。
そして……誰かの記憶を喪失した。
それは、誰なのだろう。
だけれど……その答えを知る機会は無いかも知れない。
もう、あの世界へ行く事など無いのだろうから。
◆
ざわつく教室。
その主は、今、俺の前の席に座っている金髪碧眼の美少女。
新学期に伴い行われたクラス替え。
一人ずつ順番に自己紹介が行われているが、ほぼ全員の注目は俺の前の席の転校生。
「アナスタシヤ・ミシュレ、デス。
G Play、楽しむタメにロシアからキタ。
ヨロシク」
辿々しい日本語でそう言って、前、左右、後ろと四方にお辞儀をして着席。
「はい。皆さん、静かに、ね。
アナスタシヤさんは、この春に日本に来たばかりだそうだから、色々と教えてあげてね。ね?」
「喜んで!」
男子が一人、ガッツポーズをしながら立ち上がる。
「立たなくていいから、ね?」
やたらと語尾にねを付ける担任。
その後に言った俺の自己紹介なんて、誰の耳にも残ってないだろうな。
大して面白い事も言って無いし。
しかし、わざわざ他所の国から来るほどの物なのか? G Play。
なんとなく、最近広告が多くなった気がしてたけど。
今年の正月まで行っていた非日常的な世界を思い出す。
最近、めっきり足が遠のいた。
それよりも、だ。
俺の関心は、どうすれば桜河さんとお付き合いできるか。
それ一つに絞られているのだから。
可能性は、ある! と思うんだけどなぁ……いや、しかし、俺の勘違いかもしれぬ。いや、しかし……。
そんな葛藤で日夜眠れぬ日々を過ごす、只の高校二年生、御楯頼知なのだ。
しっかし、金髪が一人いるだけでこんなにも教室の雰囲気が変わるもんかね。
二部開始時点での主人公とその周辺の状況
現世界編
主人公:実は結界の中で真っ黒になってた方。過去へ戻って記憶を引き継いだのは朧兎のミラクルな力なのかもしれない。真実は闇の中。
禁呪使用による代償は健在。
体内の刀は火雨花落のみ。朧兎も実姫も無し。
夏実杏:元の世界へと戻ったのでこの世界には存在していない。夏実さん推しは作者を恨んで良いと思う。
ハナ・ウィラード:主人公に対し接触無し。
A:レアー所属。出番は未定。
レアー:主人公に対し接触無し。
風巻凛子:メイドカフェでバイト中。多分出番はない。
ショニン:未遭遇。
村上:顔見知り。
タブレット端末:買ってない
桜河祈月:好き
◆
と言うわけで!
二部開幕!
作者すら予想していなかった、巻き戻り!超斜め上!
結の章を書き上げて投稿した時点でこんな展開考えていなかったのです。
あとは、もう向こうに戻った主人公と夏実さんのイチャラブをつらつらと書けたらいいなぁ。くらいで。
でも、幕間を書き上げてみると、あれ? これ、繋がるぞ? と。
そもそも、イチャラブとか、書けないぞ(吐血)と。
なので、取り敢えず、こっちで話を転がしてみることにしました。
因みにこの世界線、元の世界へと帰ったので夏実さんは出てきません。
あの二人は、幕間でたまに書こうと思います。
引き続きよろしくおねがいします。




