それをもってして
にゃあもはとっても幸せに微睡んでいた。
あの後三つ夜からお日様があがるまでご主人に治癒をかけ続けた。ご主人は少し笑いながらご主人専用の大きな寝床で休み続けた。
まるで昔のようで
にゃあもとあった時も弱っちくてただの猫よりよわっちかったころとまるで逆みたいだけど
にゃあもは幸せだった。
あの後エリザベートが会いに来て、エリザベートは留学とかをすることになったらしい
何故かご主人をお兄様と呼んでいて
ご主人が照れていて
不思議だったけど
エリザベートもご主人も笑っていたからまぁいいかとなんとなく納得した。
「にゃあもは強いな」
ご主人はあれ以来護衛とやらは辞めたらしい。
でもエリザベートのお父さんとは会っていて
にゃあもは知らなかったけど、エリザベートのお父さんがご主人のお父さんだと言っていた。
にゃあもはよく分からないけど
ご主人は会いに行くとおさけくさくてもまた幸せそうだから
にゃあもは満足だ。
「にゃあも、俺は学がない。頭も良くない。人付き合いも苦手だし、魔法も使えない。でもなにゃあもとメルシアが居てくれるから頑張れる。ずっとずっと一緒にいような」
昔々、小さく身を丸めて
とてもとても歩くのも億劫で
真っ暗闇な森の中で
「ただの猫か」
大きくてでもなんだか、悲しげなご主人と出会った時に
なぜか、ただの猫、と噛み締めたように
安心したようにご主人が弱く鳴いたから
いつだってにゃあもはただの猫。
エリザベートがお兄様は少しおかしいんじゃないか、って言ったって
ご主人は
ただの人間だ、と自分で言っていたから
にゃあもはそう思う。
怪我をすることが少なくなったご主人。
赤い水を流しても
にゃあもがいつだって鳴いていたら
笑ってくれるから。
にゃあもはご主人を離さない。
にゃあもはご主人と一緒にいられるのは短い時間だ。
にゃあもはご主人よりとってもとっても長生きで、いつかご主人を忘れるだろうとご主人は言うけれど
ご主人が撫でてくれる大きな手も弱っちくて守られてばっかりのころのことも、ポケットに入って微睡んでた日もマリーにゃんもメルシアも
忘れることはないだろう。
にゃあもはただの猫だけど
ご主人のことは忘れないよ。
なんだかんだ書き終わりました。
ありがとうございました。