書く前にやってはいけないシリーズ①
はい、今回はいつもと話の趣向が少し違います。
何が違うかというと、いつもは小説そのものについての失敗ですが、今回は小説を書く前段階でやらかしたというお話です。
小説を書かれている方の多くは、小説を読むのもお好きではないですか。
かくいう私は小説でなくても読みものなら何でもよい、無節操者でございます。
楽しいですよね、読書。
むしろ、読むのが好きで、自分でも書きたくなるという順序が正しいかもしれません。
読書それ自体は大いに結構。
ただ、タイミングは考えようよというのが今回のお話です。
文章には書いた人の特徴が表れるものです。
言葉選びだったり、リズムだったり、小説なら会話文の割合だったり。
まあ、いわゆる書き癖ですよね。
癖である以上、意識しないで書いていると勝手に出てきてしまいます。
しかし、物書きならそこも意識的に管理したいもの。
というか、プロの作家さんやキャリアの長い方なら、そのくらいは朝飯前でやっているものなのでしょう。
ただ、小説書き始めたばかりの私はそこまで気がまわりません。
そして、書き癖も安定しません。
当然です。
文章を書くこと自体が不慣れなので、癖というほど確かなものがないのです。
それで、です。安定しないというのは、変わりやすいということです。
影響を受けやすいのです。
スポーツ競技経験者ならわかると思いますが、試合の場で考えなくてもベストのパフォーマンスを発揮するためには、不断の反復練習が必要ですよね。
繰り返すことで、正しいフォームで技を出せるように身体に覚え込ませる、それが反復練習です。
これがあるから、何回やっても、同じフォームで技が出せる。
同じ、つまり安定的にってことです。
なので、反復練習の足りていない初心者は、フォームが毎回バラバラで安定感がないわけです。
小説の書き癖だって同じ事。
書き方が安定しない人間は、意識していないとすぐに書き方が変わってしまいます。
これを自覚していなかった私は、自分の小説を執筆する直前に他の小説を読むという愚行を犯してしまったのです。
プロのすんばらしい文章が頭に残っている状態で、執筆を始めるとどうなるか。
当然、癖がうつります。感染します。
話は前回と繋がっているのに、文章の書き方が違う。
読んでいる方は気持ち悪かったでしょうね。
急に会話文増えたなとか、ひらがなの割合減ったなとか、こんな言葉使いだったけとか……
これが、お堅い論文だったりした日には目も当てられない事態です。
ということで、今回のやらかしたは執筆前に他の小説を読んでしまったでした。
でも、この人みたいな文体で書きたいと、意識的に真似するのは十分アリだと思います。
無意識で文体がコロコロ変わるのが問題なのです。
「コロコロ変わる」
前回の復習もばっちり。