主人公以外の登場人物もやらかした!!
温かい日が増えてきて、春めいてきましたね。花粉症の方々にとっては闘いの季節到来といった感じでしょうか。健闘を祈ります。
さて、今回は主人公以外の登場人物についての失敗などをご紹介したいと思います。主人公一人では話が進みませんから、一緒に物語を展開してくれる登場人物たちは非常に大事な存在です。場合によっては、主人公以上にしっかりとした設定が必要な者もいるくらいです。
まず、私の考える登場人物の作られ方の分類を紹介します。あくまで幾つもある分類方の中の一つであり、この分け方が絶対だなどと言う気はありません。あくまで私が考える分類と言う事です。
一つは、キャラクター型の登場人物です。性格や生い立ちが特徴的で、所謂、キャラが立っているタイプの人物と言う事です。人物作成時もストーリとは切り離して、その人物個人を掘り下げて作った登場人物はこのタイプです。話の展開と関わりなく作られていますから、どんな展開にも柔軟に対応できます。この手の登場人物の場合、書き手は彼、或いは、彼女はこのシーンではどんな行動を取るだろうか、と考えれば自ずと答えは出てきます。漫画やアニメ、娯楽小説なんかに多いタイプだと思います。
もう一方が役割型の登場人物です。これは作成時にストーリー上の役割に基づいて作られた登場人物の事です。例えば、ヒロインや犯人、主人公の導き手など、話を進める上で必要な役割を演じるのに適する形で登場人物を作るとこのタイプになります。キャラクター型に比べて地味です。しかし、明確な役割が与えられていますから、物語の中で確実に仕事をしてくれます。このタイプは文学作品に多いのではないでしょうか。
どちらが良い・悪いという事はありません。また、どの登場人物も両方の側面を持っていると思います。
それでは何が問題かというと、「ぼくらの、『新世界』を創ろう」の役割型の登場人物たちはキャラクターの作り込みが甘いのです。そうなると役割を担うには十分なのですが、それ以外のシーンで使いづらい。融通が利かない。何か新しい話を思い付いても、そこに登場させにくいのです。
初めから終わりまで、ある程度物語が決まっていればいいのでしょう。けれども、「ぼくらの、『新世界』を創ろう」は習作でしたので、思いつくまま無計画に色々な話しを書いていきました。結果、役割型の登場人物たちは一度は登場するも、以降は目立たなくなっていってしまいました。
役割型登場人物は他にも問題を引き起こします。例えば下記のような問題です。
新しい話が始まると、話しに適した新しい役割が必要になりますね。
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しかし、既存の登場人物ではそれを演じきれない。
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そうなると新しい役割型登場人物が必要になる。登場人物増やす。
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また、新しい話が始まる。最初に戻る。
この繰り返しでやたらと登場人物が増えてしまうのです。しかも、一回こっきりのゲストではなく、その場に仲間として残り続けるので、人数が増える事はあっても減る事はありません。一つの話で処理しきれる人数には限度がありますから、多くの人間を登場させようとすれば無理が生じます。無駄な描写が増えます。そして、物語全体が停滞し、密度が薄まってしまうのです。「ぼくらの、『新世界』を創ろう」ぐらいの文字数なら、主要登場人物は四、五人に絞るべきでした。
結局、私が何をやらかしたかと言うと、キャラクターを作り込んだ、汎用性の高い登場人物を作らなかったという事です。役割型であっても、もっと掘り下げて作れば、使い勝手は良かったはず。少ない人数を使い回せば、一人に対する描写の量は増えますから、より登場人物の魅力を引き出せるでしょう。
反省して、登場人物作成もっと手間をかけたいと思います。次回作では人物の履歴書でも作ってみようかな。