長ゼリフ禁止!!
まだ今日の分の「最果て紀行」が書き切れていないのに、これ書いています。
だめだめです。(9.27.1:00)
さて、セリフ作りにイマイチ自信がない私でございます。どうも会話が上手くいかないのは、私の普段の会話が適当だからですかね。解決策を考えてみたのですが、そこで気付いたのがセリフの長さです。
「 」(かぎかっこ)で挟まれた文章で、登場人物の声に出した言葉、これがセリフになるわけですが、これ、思っている以上に短いです。
手元にある小説3~4冊くらい適当にめくってみると、セリフの多くは一行で済んでいるんですね。
ちなみに、1ページ1段の文庫本だと、だいたい一行30後半~40文字くらいです。なろうは37文字だったかな。なので、一回のセリフはだいたい35文字くらいになります。
私のセリフはというと、通常50文字くらい。説明セリフは最多で8行でした。8行は250文字以上ですよ。
実際のセリフを見て頂くと、
「つまり、この世界の『魔法』というのは、現象と名称に関する二つの『真理』が結びついて出来ているんだ。ヴィマラは『魔法が使える』という真理をつくったが、その『魔法』がどんな現象なのか規定しなかった。そこで足りない現象面に『感覚的に外部の環境に干渉できる』という『真理』があてられた。二つの『真理』が不可分な一つの真理として機能しているんだろうな。だから、君は『魔法』という言葉を聞いた時、まさにその経験と『魔法』という言葉を直感的に結びつけることが出来たんだろう。この世界で『魔法』と言ったら『感覚的に外部の環境に干渉する』こと以外は有り得ないという事さ」
以上です。ただただ、長い。しかも同じ話に6行のセリフもあります。
正直現実でこんな長ゼリフ話している人がいたらビックリですよ。まあ、ここまでいかないにしても、正直、20文字あれば十分セリフは作れると思うのです。
例えば、
「先輩、昼行きましょうよ」
「悪い、今日弁当なんだ」
「そうですか」
「また別の機会にな」 (←現実ならここで終わりも十分あり得る)
「弁当なんて珍しいですね、愛妻弁当ですか」
「おれ独身だし」
「じゃあ、彼女さん? ラブラブですね」
「そんなんじゃねえよ」
「じゃあ、だれなんですか」
「母親だよ。言わせんな」
「あっ、なんかすいません」
即興で作った上の会話文ですが、たぶんほとんどのセリフが20文字以内です。
だいたいこんなもんだと思います。数百文字分しゃべる人間なんて、めったにいないでしょう。例外的にはプレゼンや授業中の説明や、ファンタジーなら呪文、口上などでしょうか。
何の影響でこうなったか考えると、漫画じゃないかなと思うんですよ。
漫画では、3、4ページ、或いはそれ以上にわたり、一人の登場人物が永遠、話している事があります。ただ、これが許されるのは漫画だからです。漫画にあって、小説にないもの、そう、コマとふきだしの効用です。
同じページの中でも複数のコマがあり、同じコマの中にも複数のふきだしが描かれることもあります。これがあると、一人の人物が話し続けていても、それぞれのコマやふきだしの間でメリハリが出来るので、読んでいてもあまり苦にならないのではないかと思うのです。
小説でこの手法はとれません。メリハリのない長ゼリフは、教科書の文章のように見ているだけで眠くなる文章になっています。
ではどうするか。方法はいくつかあります。
一つ目は、間に地の文や他の登場人物のセリフを入れ、長ゼリフを複数に区切る。
説明を聞いている人間が何かしらのリアクションをとっているはずですから、それを入れるのが楽です。
二つ目は、単純な無駄の省略です。実は、結構削れるか所があるんですよ。
○接続詞(しかし・だから・つまり・或いは)
○吃音(だ、だって・で、でも)
○はなし癖(だよね・だにゃ~・するとさ)
○相手への呼び掛け(貴方・ユウ・ウィレムさま)
あまり削ると登場人物の個性がなくなるじゃないかという意見もあると思いますが、そういうのは、他の短いセリフでじゃんじゃん盛り込めば良いのではないでしょうか。もともと情報の多いセリフに無理に入れる必要はないと思います。
連続でセリフが続く時なんかは、特に一行のセリフにした方がいいと思います。長いセリフはテンポが悪くなりますからね。あえてそれを狙うというならそれも良いかもしれませんが、読みにくいとは思います。
それから、これは単に性格の問題なのですが、2行目に1文字とか2文字だけ出てるセリフって見栄えが良くない気がするんですよ。そういうわけで、一行セリフになるようにしています。
というわけで、今回のやらかしたは、「セリフが長い」でした。




