題名選びは、慎重に②
前回は、題名は大事だが、名づけるのは難しいという何とも消化不良な終わり方でございました。今回は、前回に引き続き、題名決めについてです。
まず、Ⅰタイプの題名だからといって、何でもかんでも題名に盛り込めば良いというものではなさそうということです。私にしては珍しく、総合ランキングに目を通して思ったのですが、説明的だと言われる題名も、それほど、小説の内容には触れていないんですよね。
ストーリー展開、つまり、主人公が何をするかはサラっと、或いは全く触れていないものが多い気がします。それでは、何処にそんなに文字数を使っているかというと、主人公のアイデンティティに関する情報ではないでしょうか。職業・役職・立場・能力・生い立ちなどなど、主人公の自己紹介的な題名が多いのかな。
つまり、ストーリー展開や世界観よりも、主人公のキャラクターで読者を引き付けようという戦略なのでしょう。そうなると、前回の駄題名『平凡なぼくは、100人の仲間たちと新世界で生きていく』も、改良出来そうです。
まず、主人公のキャラクターをもっと掘り起こす必要があります。単なる平凡ではインパクトが足りません。私の設定が不十分だった主人公ユウ君ではありますが、その中から運動音痴+内気でも取りだしてみましょうか。
次に、世界観やストーリはあらすじにまわして、大幅カット。舞台が異世界という事だけ伝われば良いですね。
『内気で運動音痴な異世界ライフ』なんてどうでしょう。
少しはマシになったかな? まだ、駄目ですか。申し訳ございません。
次に、Ⅱタイプです。こちらは解決策が見つからず、正直困っていました。しかし、テレビのバラエティー番組という、思わぬ所からヒントを得ることが出来ました。
確か、千原ジュニアさんがおっしゃっていたのだと思いますが、言葉の意味合いが遠いものどうしをくっつけると、そこに違和感が生まれる、その違和感が人の気を引くということでした。
これは、コロンブスの卵でしたね。なるほど、納得です。そういえば、同じような事を井上陽水さんもおっしゃっていたような。『長い猫』という曲についてのインタビューだったかな。皆さん、『長い猫』って、ちょっと気になりませんか。普通、猫に対して使う修飾語ではないですからね。前回例に出した『君の膵臓を食べたい』なら「君の膵臓」+「食べたい」、『吾輩は猫である』なら「猫」+「吾輩は~である」の組み合わせが違和感の発信源だと思われます。
ものは試しで、この前投稿した小説には『血塗れの聖母』という題名をつけてみました。まだ修行が足りませんね。『長い猫』ほどのインパクトがない。
小説の題名という縛りがなければ、もうちょっといけるかもしれません。思いつくまま、幾つかあげてみましょう。
宇宙開拓農民・絶望の王冠・大乱闘先生・楽しいモナリザ……
この辺にしておきましょう。これも練習が必要そうです。
それから、違和感を出すというのなら、良く知られている一般的な言葉の一部を変える方法もありかも知れません。具体的には、現在映画も公開されている『夜は短し歩けよ乙女』みたいな感じですね。この題名も、初めて見た時にはとんでもない違和感だった事を覚えています。
まあ、違和感を出す手法は他にも色々ありそうですが、言葉遊びの練習が必要かもしれません。こんなことを考慮に入れながら、次回作の題名を考えたいと思います。




