49 お初さん
おおい。元気だったかい?
あたしゃ元気もりもりだよ。なに?わけえくせに何言ってるね?
嫁に殺されそうだって?おめえがか?ばかこくでねえ。
やれやれ。電気屋のじじいときたら源爺と一緒だな。碌なこたあ言わん。・・・
おや?杉婆?どうしたね?
「小間物屋のお初婆の所に見舞いに行くんだよ。」
「おや。お初さんかい。そういや1年以上会ってネエなあ。あたしもいっていいかね?」
「ああ。いま,松江婆も連れて行くからタクシーを待ってるんだよ。」
よしよし・・・タクシーとな。
「見舞いの品がねえ。」
「いいよ。こんかいあたしらのと一緒にしとくから。」
「ソリャ杉婆。すまねえなあ。」
「後で半分貰うよ。」
「ぎゃふん・・・」
きき~~~
「ここがお初サンのいる病院かね?」
す~~~今時は皆自動ドアだのう。
「あれ?何かさわいでるぜ。」
待って・・まってくださあい
看護師さんか?介護士さんか?
おやおやその前を全力疾走してる車いすのばばあは・・・
「お初さんじゃねえけえ?」
ききききき・・・・車いすは私達の前でききききと音を立ててとまったぜ。
「あ・・・ありがとうございますぅ」
後ろから息も絶え絶えに若え看護師がやってきたな。
「もう。お初さん。ここはサーキット場じゃ有りませんよ。」
おやおや。お初の奴無視してるな。
「は?あんたさんどなたさんですかいの?」
でたな。十八番。
「まあまあ。」
杉婆が看護師をなだめてるそのすきに・・・
「おい。久しぶりだな。元気そうじゃネエか。」
って言ったら,にやりと笑って
「お・・きよこ婆に松江婆か。ちょっとしたれじすたんすだよ。」
「れじすたんす?」
「おおよ。みんなして耄碌したとかいいやがってよ。」
「おめえが耄碌?ソリャ初耳だわ。」
「そうだろ?ま。部屋に戻るぜ」
3人でぞろぞろ進み出したら後から慌てて杉婆もきたな。
「なんであたしをおいてっちゃうんですか」
「怒るなおこるな。」
どっこいしょ・・・
うまいもんだな。車いすからベッドに上がるのも。
「俺はなんでもできるのさ。」
「確かにのう」
「何でも聞こえるし,何でも分かる。」
「おおおお。」
「家族が来た時は,黙って寝たきりのふりしてるんだがの。」
「ほう?」
杉婆は布団を掛けてやりながら聞き返してるな。
「黙って寝てると家族の気持ちが分かるのう・・・」
「それで?」
この前、弁護士を呼んで遺言状を作り直したのさ。とかかかか笑ったぜ。家族の奴等・・・キットショックを受ける内容なんだろうなあ。
「奴等がそれを聞いたときの顔をkみられないのだけが心残りさ。」
って言うお初さんの顔は晴れ晴れとしていたぜ。
ううん。なかなかのいいはなしだったなあ。
こんにちは。読んでくださってありがとうございます。
久しぶりのクソババアです。すこし雰囲気も変わってきたかも知れません。
ぽつぽつ更新していきます。よろしくお願いします。




