48 チン
ひさしぶりぶり・・・
「きよこばあさん・・・どうしたんだい?」
へへへ。こないだ誰かが言ってたのを使ってみたかったんだよ。
「びっくりしたよ。」
杉婆?そんなに急いでどこに行くんだい?
・・・・・
・・・・・?
「言わせる気かい?」
「言うだろうさ。」
・・・・
・・・・・
にらみ合いなら任せとき。
「銀行に行くんだよ。」
なんだい?隠すことじゃねえだろう?
・・・・・
・・・・・
きりきり吐いちまいな。
「松江婆が,お金を隠してたんだよ。」
それがどうした?よくあることじゃねえか?
「義母さんったら,事もあろうに電子レンジの中に隠したんだよ。」
レンジ?入れちゃ駄目だったのかい?
「そんなこと知らないもんだからさ・・・気付かないで,チンを何回もしたんだよ。」
で?
「お金に穴が開いたんだ、」
?
煮えたんじゃなくて?
「ああ。金ぴかの部分が燃えたんだよ。」
へえ・・・やっぱりレンジでお札も調理出来るんだねえ・・・
「そんなこと言ってる場合じゃねえだろ,使えねえから銀行に行って代えて貰うんだよ。」
「代えて貰えると良いねえ。」
おや,源爺そんなとこから?
「また源爺は電柱の影からこっそりのぞいてたね。言いふらすんじゃないよ!!!」
「えへへへへへへへ・・・」
あ。逃げたよ。
「ってわけで急いでるのさ。」
ふうん・・・
・・・・
・・・・・
「なんですか?」
まだなんか隠してるだろ?
「隠してなんかいません寄ったらいませんよっ」
そこがあやしい。ま。いっか。あんたがでかけるなら,松江婆が留守居してるだろ。ちょいとお邪魔してるよ。
「もう!!!」
早く行きな。それっていくら分?
「50000ですよ。・・・あ。しまった。」
50000ね。大金じゃないか。
おおいったいった。何であんなにプリプリしてるのかねえ?
はい。ごめんよ。
「なにあやまってるんだ?」
また源爺か。一緒に行くかね?
たまには良かろうて。
「おや。二人もそろって珍しいね。」
「偶にお邪魔するでよ。」
「・・・・お茶を一杯・・・
・・・ずずずずっずうず・・・菓子はねえのか?・・・ずずずず・・・・」
源爺。あんた家にちゃんと帰ってるんかい?
「ほれ菓子だ。」
「おおおおおおひさしぶりの菓子だ。」
まさか飯も食ってねえんじゃあ?
「ばれてるがな・・・いや。そんなこたあねえ。食ってる。菓子を。」
なんだ?どっちだい?
せわしねえな。源爺の食い方はよぉ・・・
「食ってネエだろ?」
「食ってるよ。」
くってるのはヒトだろうぜ。
「わしは人食いかい?」
「おおよ。ひとくいだのう。なあきよこ婆。」
おおともよ。で・・・何で杉婆はプリプリしてたんだ?
菓子をつまみながら聞くことは聞くんだよ。
「ああ。出がけに財布がねえと大騒ぎしていてよ。」
「そりゃ大変だ。」
で?出てきたんかい?
「さんざん探して自転車の買い物籠に入ってたとさ。」
そりゃあよかったのぉ
「で。杉婆は,盗まれなかったのは奇跡だから,入ってた分を全部熊本に寄付するって今でてったのさ。」
おや?チンした金を換金しに行ったんじゃないのかい?
「う・・チン・・・まあ。それもある・・・」
杉婆はいい奴だったんだのぉ
「そうそう。」
源爺まで?
「杉婆は偶に俺に飯を食わせてくれるからのぉ。」
・・・・・
・・・・・
金を換金してきたら,いよいよ牛久大仏に,町内会で今度こそ行けるかのぉ。
おはなしをくれたれいこさん。ありがとうです。




