30 町内旅行Ⅳ
いつになったら出発するんだ?
俺。運転席で寝ていい?
源爺がいないって?
「皆さん,どこかで見かけませんでしたか?」
ガイドさん,青い顔してるな・・・
ちょっくら探してくるかのう?
「いや。他の皆さんはここにいてください。さらに探すとなると,また大変ですから。」
町内会長。おめえだけが行くんかい?
「いや。あの時場警察の佐藤さんが一緒ですよ。」
ほほ~~~~
降りてった降りてった。
「さあ。みなさん。」
分かってるって。
「あ・あ・あ・あ・あ・あ・」
どやどやどや・・・
「駄目ですよ。降りては。」
「ははははこんなに面白そうなこと見逃すもんか。」
「わははは・・・」
「皆降りてっちゃったあ・・・」
「泣かないで。」
「しんちゃん・・・・」
勝手に二人の世界に入ってな。
あたしも行くかな。
「あたしも行くよ。」
おうあ。松江婆。いいのかい?
「駄目ですよ。義母さん。」
「だって誰も乗ってないじゃないか」
おお。松江婆たまには長くしゃべるんだな。
「おまえも行きたいんだろ?」
・・・・・
なるほど・・・一緒に行くか?
・・・・
おとなしく降りてきたな。
さて・・・・みんなはどこだ?
お。あそこにいるのは・・・源爺とこの嫁の頼子だな。何してんだ?
「おい・・」
「きゃっ。」
何だ。酒買ってたんか。
「源爺捜しはどうしたあ?」
松江婆,言うな。
「どうせその辺で寝こけてるんでしょ。心配しなくても大丈夫ですよ。いつものことです。」
おやおや・・・
「おおい。いたかあ?」
「いねえ。」
「雪隠にもいねかったぞ。」
雪隠っていつの時代のヤツだい?
「こっちの酒の試飲のとこにもいなかったぜ。」
「じゃあ・・・試食コーナーは?」
「いねかった。」
おかしいねえ。そのどっちかにいると思ったのにさ。
「いたぞぉ」
「どこだどこだ?」
「あっちのあだるとこおなあにいたぜ~~~~」
・・・・・・・
まずい。頼子の顔が怖い・・・
「お義父さん・・・・」
「ひぃぃぃぃ・・・」
「ちょっとこちらにいらっしゃい・・・」
「あんたさんどなたさん・・・ぐえっ・・」
おおおおおおおお・・・・なんまいだなんまいだ・・・
・・・・・・
「みなさん。大変失礼いたしました。もう出発していただいて結構ですわ。」
・・・・・
「何か源爺・・変でねえか?」
「いや・・・青い顔だろう?」
「いや・・・真っ白なんじゃねえか?」
・・・・・・・・・
何がおこったんだろうな。あたしは見てたけど・・・・言わねえな。松江婆も言わねえな。もちろん杉婆も・・・
「あたしは見てましたよ。ええ。締めてました・・・」
言ってるし・・・
でもこれでやっと帰れるな。なあ,松江婆。
ああ。明日はお茶飲みに来るだろ?
おおともよ。お邪魔させて貰うさ・・・
やっと終わったな。
源爺はちゃんと生きて帰れたみてえだな。
「あんたさん・・・どなたさんですかいの?
はあ?あだるとなんてぇわかりませんわ。」




