13 源爺さん
俺はみんなに源爺と呼ばれている・・・
いつからかのう・・・
連れ合いのみいばあさんがいなくなってから・・・
・・だから・・だから・・・あ・・・う・・・・かれこれ・・・わからんわ。
婆さんは買い物に行くと言ったきり帰ってこねえんだ。俺の好きなばあむくうへんを買ってくるからねと言ったきり・・・早く帰ってきて一緒にばあむくうへんしたいなあ。
・・・・
おや。慎太?何してるだね?
ああ。この前埋めたビニ本かい?
おめえんとこに埋めたでねえか。明日来て一緒に確かめようぜって。
誰にも見つかっちゃなんねえぞ・・・アレはお宝だからな・・・
なに?そろそろほとぼりも冷めた頃だから、掘り出そうってか?おおおお良いぞ。いつ掘るね?
明日?
おおよ。忘れねえで行くぜ。
・・・
ウ~ンよく寝た。
「おじいさん。ご飯ですよ。」
「はいよ。うんうん。この魚は美味いねえ。卵も美味い・・」
もしゃもしゃ・・・
さて慎太んとこにいくか・・・
おや。きよこ婆だ。
「おはよう源爺、今日はどうしたね。飯でも食わせて貰ったか。」
何を言ってるんだ?飯?食ったかな?いやまだ食ってねえな。
「まだだ」
「へえ。口の周りの卵の黄身は、いつくっついたんだい?」
「そんなん知らんわ。」
「こんなとこでなにしてるんだい?ひ孫の太郎と遊びに行くんじゃなかったんかい?」
そんな覚えはねえぞ・・ひ孫だって?馬鹿こくでねえ・・・俺はまだ・・・60・・・だったかな?あれ?
おほん。どうでもいいこった。
「これから慎太と遊ぶんだ」
俺は胸を張った。きよこ婆には分かるまい。男同士の熱い友情。
「何言ってんだか・・慎太はとっくに墓ん中だろうに・・」
は?
「ゆうべ今日遊びに行くから一緒に行こうって言われたぜ。」
「何言ってんだ。おめえそりゃあやばいぜ。ぜ~ってえ行くな。」
何言ってんだこの婆。
「俺と慎太の友情を壊す気か。」
目をぐるぐる回して・・・なんなんだ、この婆。
「・・は。そこまで言うんなら勝手に行きな。あたしゃ知らん。」
・・・全くあの婆と来たら・・・
・・ん?あの婆、あんなに年取ってたっけか?あれ?
・・まあいいや。
・・・
おう慎太。来たぜ。
待ってた?そうかそうか。悪かったな。
最近ちっとも来ねえからもう友だちじゃないと思ってた?
そんなことはないぞ。俺とおまえは親友じゃねえか!!!
慎太あ・・・泣くなあ・・・・
・・・
は。
ところで、あのお宝だが・・・
どこに埋めたっけなあ?
おめえが知ってるんだろ?
う~んう~ん・・・・
ぐう・・・・
・・・・・
「じいさん!!!源じいさん。」
「ハイあたしは源じいさんです。」
「何寝ぼけてんのさ?」
「あんたさん,どなたさんですかいの?」
・・・・・・
「ここは慎太さんの家の庭ですよ。何でこんなところで寝ているんですか?夏とは言え、風邪を引きますよ。」
この人、誰だったっけ?見たことあるなあ・・・・
・・・・・・・
「おや・源じいさんいたね?」
きよこ婆だ・・・しゃきん・・・
・・・・・・
「おじいさん!!!なんですか?このビニールに入った本は!!!」
「おお・どこにあったね?」
「慎太さんのとこですよ。」
ふぉふぉふぉ・・・・
「俺たちの宝だ・・・。」
俺はさっさと本をしまった。慎太には後で見せてやろう。
ふぉふぉふぉ・・・・
「あなた。変な本を源爺さんが隠していたんですよ。」
「あ・・見たい・・」
「なんですって?」
「おほん、いや。きよこ婆さんにでも預かって貰ったらどうだ?」
・・・・・・
今日はあたしの出番が少なかったな。
こうひい牛乳でも,あたしと、でーとにくる、わけえ男がいねえってのもむかつくな・・・
かくなる上は・・・
そこのお姉さん。あたしと苺牛乳しないかね?た~っぷりのおはなし付きだよ。




