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ReWO---Regnum World Online  作者: 早乙女
新世界
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プロローグ

習作です。何番煎じの駄文ですが、お付き合いいただけたら幸いです。

 プロローグ


「夏休み暇か?」

 登校してすぐに、クラスメイトである小野田和馬は俺にそうやって、話しを振ってきた。

「特に予定はないが、いつだ?それと内容は何だ?」

と言葉を返す。質問に質問で返すとはあまり良い返事とは言えないが、いきなりこんな質問をされたのだしょうが無いだろう。

「おう。お前、Regnum World Onlineって知っているか?今度発売されるVRMMOゲームなんだけどな。これの発売日が明後日、つまり夏休み初日な訳なんだが、一緒にやらないか!」

 和馬はそう両手を大げさに開き、答えてきた。表情はなぜかとても誇らしい。

「あのニュースでも話題になっているゲームか?確か予約開始10分で全部売り切れたとかいう話じゃなかったか?当日分を入手するために今から徹夜で長蛇の列をなしている人は居ると今朝聞いたけど…。」

「ああ、その通りだ。だけど、俺の親父が開発会社のひとつに勤めていてな。それで本体とソフトが手に入ったんだよ。俺と姉ちゃんの分二つ貰ってきたのは良いんだけどさ、肝心の姉ちゃんは別にいらないと言いやがる。そこで親友のお前に、話が回ってきた。そういうわけだ。」

「なるほどな。だがいいのか?今の話題性から行ったら、転売すればかなりの額で売れると思うけど。」

実際オークションサイトで、予約券などがかなりの高額で取引されているというのを、聞いている。

「良いさ。俺とお前の仲じゃないか。それに親父に、転売はするな、と釘を刺されているからな…。まあ、頼みと言っちゃあなんだけど、夏休み出来る範囲でいいから、勉強を教えてくれないか?流石に次に赤点取ったら、やばいし…。」

と笑いながら頼んでくる。和馬はあまり勉強ができる方ではないのだ。

  自慢ではないが俺の方は勉強が出来る。定期テストでは、10本の指に入るほどなのだ。

たいして和馬は、360人中の300番台と下から数えたほうが早く着いてしまう。

一か月こいつの教師になることで話題のゲームが出来るというのなら、安いものだし、親友の頼みである。そう思い、俺はこう言った。

「分かった。そういうわけなら有りがたくやらせてもらうよ。」

「ありがとう、それじゃ明後日お前のうちに届けにいくわ。それか…

「トシ君、ReWOやるのっ?!」

突然、意気揚々としゃべっていた和馬の声を遮り、驚愕の色が混じった女性の声が聞こえた。振り返ると後ろには、肩の下まで伸びた長い黒髪。くりりとした目。全体として整った形をしている顔立ち。10人に聞けば10人が綺麗と答えるであろう美少女がそこに立っていた。

「桜、いきなりどうした?」

と俺はこの美少女――幼馴染の齋藤桜に聞いた。

「トシ君と和馬くんの話が聞こえてね。トシ君がReWOやるって聞いて、話しかけちゃった。」

と、大声を出したのが今更恥ずかしくなったのか、少しはにかんで言ってきた。

「私ね、βテスターだったの。」

「桜ちゃんテスターだったのか。じゃあ、どこかであったかもしれないな。」

和馬が桜に話しかける。先程、話を遮られたが、不快に思っている様子は無い。多分学年でも随一の美少女の桜と話せてうれしい気持ちの方が勝っているのだろう。

「ということは和馬君もテスター?同じクラスにテスターがいるとは思わなかったよ!」

「俺もだよ。」

二人が驚いているのを見つつ、俺もしゃべる。

「和馬。さっきの話の続きを聞かせてくれ。」

「あっ、さっきは割り込んじゃってごめんね」

桜が顔の前で両手を合わせ、頭を下げ、俺達二人に謝ってくる。

「大丈夫大丈夫。明日の12時からサービス開始だから、1時から始めるぞ!良いか利哉?」

「了解。」

そう言って俺は和馬の言葉にうなずく。

「私も行っていい?」

「もちろん!」

和馬が弾んだ声で答える。もちろん、俺も桜が来ることに賛成だ。


キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン


HR開始のチャイムが教室に流れ出す。それと同時にドアを開け先生が入ってきた。俺達三人はそれぞれの席に戻った。先生が諸連絡をしている中、俺は窓の外に目をやり、ふきこんでくる風に、夏の暑さで火照った身体、額についている汗を冷やしてもらいつつ、これから始まる仮想世界での冒険に胸を躍らせ始めていた。

こうして、俺は日本中のゲーマーが楽しみにしているRegnum World Onlineに図らずとも参加することとなった。


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