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D&Oダイエット

 最近、私の友達のスタイルがやたら良くなっている。


 今までは食べ過ぎてしまった、このままじゃ太ってしまう、しっかり運動しないと、とばかり愚痴をこぼしていた彼女が、最近は全然そういうことを言わずに、いつもにこやかに私に話しかけてくる。


「ねえ、何か良い事でもあったの?」


 ある日、食堂で私は彼女に尋ねてみた。何か秘密のダイエットでもあるのか、と尋ねたとき、私の心の中には少しだけ不安があった。もし彼女の秘密に突っ込むとしたら、色々と不味いのではないか、と。

 でも、幸いその心配は杞憂だった。


「へへ、実はねー……」


 そう言いながら友人が取り出したのは、彼女が大事にしている赤色のスマホだった。好きな色や好きなシールでお気に入りのアイテムに仕上げている彼女は、スマホの画面を私に見せてくれた。そこには、気になるアイコンがあった。


「え、ダイエット用のアプリ……?」

「そうなんだよ、これが結構役に立ってね……」


 どうやら彼女は、このダイエット用のアプリを毎日有効に活用した結果、理想としていた体系を手に入れ、それを維持することに成功しているらしい。当然、私もそのアプリがすぐに欲しくなってしまった。一体どのような機能があるのだろうか、どれだけの効果があるのか。色々と質問を投げかけたけれど、まずはダウンロードして、自分で確かめるのが一番だ、と友達に諭されてしまった。


「そうだよね……」

「大丈夫、毎日こつこつと続けていけば、筋力も結構つくよ」


 痩せるのみならず、筋肉もつくというこのアプリ、一体どんなものなのか、ワクワクしながら私は友人に聞きながらダウンロードを行った。



 そしてその夜、私は自分のスマホの画面の中にあるダイエット用のアプリのアイコンを指で押し、その中身をじっくりと見た。色々と自由度が高いという友人の言葉通り、時間指定や減らしたい体重の量など、様々な項目を思い通りに変更できるようだ。ただ、その中で一つだけ気になることがあった。


「え、『重量』……?」


 わざわざ体重とは別に『重量』の項目があるのはいったい何故なのだろうか。少し悩んでしまったけれど、アプリの中にあったマニュアルに従い、試しに私は少しだけ重めの重量を入力し、そしてスタートボタンを押した。


 その時だった。


「……!?」


 突然、私の体が重くなった。いや、私の体自体ではない。私以外の全てが、突然押しつぶすように下に向かうような感触が襲ってきたのだ。

 いったい何がどうなっているのか不安になった私はすぐにアプリの画面を見た。そこには、制限時間と同時に『重量』の数字が大きく記されていた。そして、その下に、この状況の理由が書かれていた。


「……え……そ、それって……」


 そう、このアプリに入力した重量分が、私の体に重くのしかかっていたのである。この状態で動けば、確かにそれなりの筋力も必要となり、そして多くの脂肪を燃やすことが出来る。しかもいちいち器具を使わずとも、いつでもどこでも、ただ座っているだけでもダイエットのための運動をすることが可能なのだ。


 そして、制限時間が終わり、体からすっと重量が消え去った。


 身軽になった体のありがたみを感じつつ、私は友人に感謝のメールを送った。これなら、私も気軽にダイエットが出来そうだ、と。そして、このアプリの名前の由来も理解することが出来た、と言う文章も添えた。


 私の体には、「D(だっこ)O(おんぶ)ダイエット」の名の通り、たくさんの重みがだっこし、そしておんぶされていたからだ……。


お題:重いこだわり 必須要素:スマホ

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