三つ子の弟と私の早朝
「……ちゃん!」
「…えちゃん!」
「ねえちゃん!朝だよー!」
……痛い痛い、引っ張り落とすのは布団だけにしてほしいもんだよ。
相変わらず、うちの弟たちは朝から元気なものだ。その活気を私にも分けてほしいよ。
「かあちゃーん!姉ちゃん起きたよー!」
「今日も髪型変だよー!」
寝ぐせだっつーの。
弟や妹のような年下の存在、一人だけでも騒がしいと私の友達はよく言うけど、私の場合その賑やかさが3倍にもなって襲い掛かってくるからたまらない。
母さんや父さんはいつもの通り余裕の笑顔だけど、どこからどう見てもそっくりな三つ子をよくここまで育て上げたよなー、と私は今になって凄い尊敬するようになった。
「「「それじゃ、いただきまーす!」」」
食べるときも、私の三人の弟は元気だ。全く同じトーンで言葉をユニゾンさせながら、母さんが用意したご飯を一気に食べつくそうとしている。朝っぱらからよくあそこまで元気でいられるな、と私がちょっと愚痴を言ったら、昔のお前みたいだな、と父さんに言い返されてしまった。それは確かに微妙に記憶にあるけど、私とあのやかましい三人弟を一緒にしないでほしい、と言うのが本音かな。
「「「ごちそうさまー!」」」
私は高校、弟たちは小学校。食べ終わると早速登校の準備だ。
早速私は急いで洗面所へ向かい、歯磨きをして顔もたっぷり洗った。急いでいかないと、弟たちn占拠されてしまうからだ。勿論、さっき思いっきりからかわれた髪型もセットしておかないといけない。
「ねえちゃーん、早くしてくれよー!」
「そうだよー、いつも遅いんだからー」
「ブーブー」
いつもダラダラ準備して私を待たせるのはどこのどいつだ、と突っ込みたかったけれど、今日は私の勝ちだから、悠々と準備ができる。
とは言え、気ままにのんびりと言う事は出来ない。
今日の宿題や勉強用具は昨日のうちに整えているので、後は着替えるだけだ。早速寝間着代わりのジャージの上の方を脱ぎ、中に着ていたシャツを露わにしたときだった。
「「「ねえちゃーん!」」」
当然、私から出たのは悲鳴と物凄い勢いの枕だった。当然だろう、弟たちは平気で私の着替え場所に入ろうとしたのだから。
とは言え、私は優しいのでしっかりと注意し、弟達を追い出した後にしっかりとなぜ入ったのかを聞いてあげた。彼らの言う通り、私のベッドの上に筆箱が置いてある。たぶん三人のうちの一人のものなんだろうな、と私は思った。彼らはみんな好みも一緒なので、正直筆箱だけだと私は見分けがつかないのだ。
色々とドタバタはあったけど、ようやく私は制服に着替えることが出来た。鞄や部活用具もしっかりと装備し、いつでも出かける準備は整ったわけだ。
「「「姉ちゃんおまたせー」」」
そう言って、弟たちもやって来た。
私も昔通っていたそこの小学校は私服登校なんだけど、兄弟そろってお揃いの服を着ていた。傍目から見てしまえば異様かもしれないけど、それが彼らの特徴であり、学校ではある意味長所になっているようだ。何せよく入れ替わっては宿題を代理で――
「「「おーい、早くいくよー!」」」
――色々と考えていたら、いつの間にか弟たちが玄関先に集まって私を呼んでいた。
私たちの後に会社に出かける父さんや、このまま家の留守を守る母さんに見送られ、私と三つ子の弟たちは学校に向けて歩き出した。
毎朝、私はこういう風にドタバタでとても忙しい。でも、いつかこの家を離れるとき、きっとこの光景を懐かしむことになるんだろうな、と思う。
五つ子の妹がいる母さんや、双子の兄の父さんがそう言うのだから、きっと間違いないんだろう。
お題:明るい男の子




