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テスト勉強と利口なペンシル

『ひーっくし!』


 あわわ、これは大変ですね。今の季節では暖房もあまり聞かないですし。


 あ、突然すいません。(わたくし)、とある方が使用しております『シャープペンシル』と申します。私の持ち主とは恐らく十年来と言う長い付き合いになりますが、幸いにも私は壊れる事無く、ずっと大事に使われているのであります。


 さて、今私の持ち主が真剣に挑んでおりますのは、英語の勉強でございます。もう間もなく始まる英語のテストに向けて真剣になって勉強を始めたのがつい数分前の事なのですが、私の持ち主、この方あまり勉強と言うものに熱心になったことがないようでして、今日も私を使って落書きを始めてしまいました。


 どうやら学校で他の皆さまと一緒に受ける形のようですが、この前の成績が悪かったようで、私の持ち主は先生たちから注意を受けてしまいました。これは大変だ、と言わんばかりに早めに出したのは良いのですが、この有様と言う訳です。


『ふわぁ……』


 とは言え、集中力が切れてしまうのも仕方ないかもしれないですね。今は夜、しかも外は珍しい大雪。外の寒さに耐えかねて、暖房をたっぷりつけているわけですから、下手するとそのまま眠ってしまうかもしれません。

 しかし、そのまま勉強をしないと、次のテストはどのような事になるか分かりません。ここは必死に頑張らせるしかないかもしれないですが、なにぶん私は言葉も通じない一本のシャープペンシル、果たしてどうすれば良いのでしょうかね……。


『……雪かぁ……』


 とうとう持ち主は席を立ち、窓を開けて雪を眺めはじめてしまいました。これは完全に現実逃避、今日の勉強はこのまま中止でしょうかね。


 そんな事を思った時。


『……雪……「snow」』


 どうやら、私の方が少々甘かったようです。いけないですね、せっかく私を使用して頂いている方を信用しないシャープペンシルなんて。

 でも、やはりノートの方はあまり向きたくないようです。勉強する気は起きたとしても、それを実行に移すには、もう一歩手助けをするべきでしょう。しかし、私はただのシャープペンシル、一体どうすれば、と考えたときでした。

 私は一つの名案を思い付いたのです。


『……あれ?』


 ふふ、ようやく気付いたようですね。


 外の雪をずっと見続けた私の持ち主がノートを見たときの驚きの顔、私にとってはまさにしてやったりと言った感じです。持ち主が外の景色を見つめ、色々と物思いにふけっている間、私はこっそりと落書きに『英語』をつけたしてあげたのですから。

 


『えーと……これは……』


 こういうのを描いていたっけ、と不思議に思っているようですが、次第に私の記載した英語に興味を持ち始めたようです。

 ちょっとだけ、私は持ち主の手助けをしてあげました。英語と言うのは、大好きなアニメや漫画にも幅広く使われているもの、ここにある落書きも、そこに英語の名前を付けてあげれば、そこに秘められた深い意味や由来を調べることでより深みが増し、そして英語への楽しみがより増す、そう言う訳です。


『よし、えーとこれは……』


 とは言え、集中し始めたのは、新しい落書きを創作する作業。肝心の勉強の方は全く進まない状況になっておりますけどね。


 とは言え、これで持ち主は少しづつ英語に対して親しみを持ち始めたのは確かなようです。

 ここからじっくりと実力を増し、私を操ってテストで高得点を取れる日を、楽しみに待っておりますよ。

お題:夜と豪雪

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