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神様の玩具  作者: じゅん
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野宿


 馬車を止めてから、すぐに周りが暗くなり始める。

馬車を歩道から草原へ移動し、焚き木の準備をセコセコと行う犬たち。

そんな姿をボー。と眺めながめていたら、黒髭が絡んできた。

「お嬢ちゃん、具合は?」

片手にビン(日本酒のビンに似ている)を片手にゲラゲラ笑いながら隣に座る。

お酒臭い。私は気持ち離れる。

「いろいろありがとうございました。おかげで気持ち悪いのも痛いのも引いてきました。」

「そりゃーよかった。なによりだ。ところでさっきの薬見たのも始めてかい?最初の叫び声は驚いたぜぇ」

がははははは、と笑いながらグビグビ酒瓶を飲む黒髭

「すいません。驚かしたみたいで。・・・ところでこの辺って、どこなんですか?」

この際なので思い切って黒髭に聞いてみることにした。

「ここかい?ここはアンセイムとコロサムに続く街道だが。」

なにいってんだ?みたいな顔で黒髭から返される。

「アンセイム?・・・いや、聞き方まちがえました。この国の名前はわかりますか?」

「おいおい。お国の名前もわかんないのかよ。テージだよ。帝国テージ。」

「テージ?聞いたことないです。どのへんの国ですか?周辺にインドネシア・フィリピンや沖縄、それともハワイとか近くにありますか?」

思いつくかぎりの南国島国を並べてみる。

「フィリピン?インド?しらねぇーな何処だそこ?どこの村の出かしらねぇがお前の村の名前かい?」

だめだ・・・・通じない。

「じゃぁ!こんなの見たことあります?!!」

ポケットから蛙口の小銭入れを取り出し紙幣を何枚か見せる。

「へぇー上等な紙じゃねーか。同じものは見たことないね。ここに書いてある絵もすごいなぁ。一枚もらってもいいか?」

どうぞ。と、もはや使う事の出来なくなった千円札を黒髭にそのまま渡す。

はぁ・・・トカゲの化け物に犬人間が二足歩行、その上喋るし。。。薄々気付いていたけど、どうやらココは全く違う世界のようです。

「親分!焼けました!お嬢さんもどうぞー」

犬人間が得体の知れない串刺し肉を二つ持ってきてくれた。

しっぽをフリフリしている。

これがちゃんとした犬ならとてもかわいいんだろうなぁ。

「まぁーよくわかんねーけど、アンセイムへは行くからそこまで連れて行ってやるよ。そこに行けば村の事も分かるだろうよ。大きい町だしな。」

肉を豪快食べながら愉快に話す黒髭。

彼の中では私は地方の村から出てきた迷子娘と家出娘とかなんだろう。

めんどくさいので、否定はしない。

「明日の昼には到着するから!まぁ元気出せ!」

ドンっと背中を叩かれる。

地味にいたい。

「・・・ところで何をしに町へ向うんですか?」

私の話になるとめんどくさいので、話題を変えてみる。

「奴隷を買いにな!俺んとこの農場を開拓して広げたいんだ!」

言葉がない。

奴隷って・・・あんた。

「ルーとチーも昔に買ったんだが、二人だけじゃさすがに足らなくてなぁー。もう3.4人は買うつもりだ!」

追加の薪を持ってきた犬人間も話に参加する。

「親分は今度、牛族を中心に買われる予定なんですよー」

「おう!開拓には力が必要だしな!」

ハハハハハと愉快な談笑が続く。

それにしても奴隷いるんだぁ・・・。どうやって生きよう。

奴隷になりたくないなぁ・・・

・・・・・・

・・・・・

・・・


 「---おーい!きいてるかぁー?」

突然、黒髭の醜い顔が私の視界を埋める。

「わッ!」

身体を大きく後ろへ引く。

しばらく途方にくれていたようだ。しかし、その顔は犯罪でしょ。。。いきなりはきついです。

「わるいわるい。驚かす気はなかったんだぁーそれとこれやる。これやる。」

お酒が入っているので上機嫌なのだろ顔を赤くして赤鬼もとい黒髭が何枚かのコインを押し付けてくる

「さっきの紙のお礼だぁ。ただというわけにはいかんだろー?この先、これくらい有ればなんとかなるはずだからもっとけ。」

そのまま、黒髭を酒瓶をブンブン振り回しながら馬車の中に帰っていく。

まるでその姿は熊が巣穴に帰るような・・・・のっしのっしと、そんなかんじ。

「あ・・・」

お礼を言おうとするがすぐに馬車からは寝息が聞こえ始めた。

「いいんですよーそれ。貰っちゃってくださいー。」

焚き木の後始末をしながら犬人間が喋りかけてくる。

しかし、話しながらも仕事の手を止めない。

本当にいい働きをする犬だね。

この際だし、犬人間にいろいろ聞いてみることにする。


 犬人間は僕でよければと喜んで答えてくれた。

まずは、黒髭から貰ったコインの事。

貰ったのは小金貨4枚。

この国の貨幣は全部で、小銀貨・銀貨・大銀貨・小金貨・金貨・大金貨と分かれている。

銅貨はないそうです。

お金の価値もこの並び順でたとえば、小銀貨が100枚集まれば銀貨に。銀貨が100枚集まれば大銀貨になる

小銀貨1枚でだいたい、ご飯1食は食べられる。宿に泊まるなら銀貨数枚。高い所だと大銀貨1枚とかもあるようである。

で、黒髭から貰った小金貨は1枚で数ヶ月は食べていける位の価値があるそうです。

こんなにもらっていいものだろうか・・・返す旨を犬人間に伝えるが、黒髭はお金に困っていないので平気と返される。

話を聞くかぎり黒髭こと[ジョンソン・マイケル]は最近就任したばかりの新任の領主だそうだ。

名は体を表すというが、ここまでこの言葉が似合わない人間はそうはいないだろう。

あのことわざは嘘ですね。

ここから出身の村までは、かなり遠い。先代の財テクがすばらしく資金面はそれなりに潤っているようである。

黒髭的には、何か功績を残しておきたく「開拓」を行い、村をよりいっそう発展させるのが狙い。

そのためには大規模な開墾を必要とし、今いる村人だけでは到底手は足らないし、村人を増やそうにもそう簡単にはいかない。

仕方なく今回、大きな奴隷市場がるアンセイムにまできたとの事。

どうやら、この黒髭は山賊ではないようです。

・・・・・

話がそれた。

黒髭の事はどうでもいい。


話を戻し、先に進もう。

まず、島と思っていたこの場所は大陸だった。

大陸の中には大小合わせて5つ国があります。


まずは一番大きい「帝国テージ」

軍国主義の国でよく戦争している。

住んでいる人間の気質も勝気な人が多い。

人間を最上種としているため、犬人間のようなモンスター系は嫌われる。

明日行くアンセイムは中々の大きさの町。

小さな城砦都市と呼んでも間違いではなく町の周りをかなりの大きさの城壁で囲っている。


二番目に大きいのが「コヒラ王国」。

帝国テージの良きライバルでよく戦争している。現在進行形。

魔法学が進んでいるそうです。

うわぁーファンタスティック!

数年前までは滅亡寸前だったが最近、新たな魔法を発見して領土を取り返している。

国として実力主義思考の為、力ある物・賢い物は認められれば差別されない。

力ない物や賢くない人は淘汰されていく。

どこかに連れて行かれるらしいです。詳しくは知らないそうです。


三番目は「神聖デリス共和国」

コヒラ王国の隣にあり比較安定している。

差別もなく犬人間達には住みやすいところらしい。


四番目は「森」

コヒラ王国の上にあり、獣人国のとなり。

国としてどこも所有できておらず。

多数の魔物がいる未開の地。

竜種もいる。

周りの国もなかなか手が出せない。

最奥には不老不死の秘薬があるとかないとか。

※竜つよい。こわい。一匹で英雄10人に匹敵するらしい。数々の小国はこいつに落とされている。


五番目で一番小さい国「獣人国」

なんと、獣人の国がある。

帝国テージの真上にあり、アンセイムからは遠いが首都の目と鼻の先にその国はある。

少数精鋭とはこの国の事。

何十人もの英雄が生まれており、国家として最強。

帝国テージも手が出せず、目の上のタンコブ状態。

少ないが人間も住んでいる。



ちなみに違う世界から来た人間はいるか聞いてみたが、

「そんなバカな話聞いたことありませんよー」

と鼻で笑いながら犬は食後の片づけを終えた。

・・・・ここにいるよ。くそ。



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