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それぞれの場所

その夜、王都の外れに全員が集まった。

シオン、エリオ、アルヴィ、ブラート、ルテ、グラン、カイ、リラ、ティア、ナイラ、ライラ。

食堂を借りた。大きな食堂だった。それでも少し窮屈だった。

シオンが言った。「明日から、それぞれ動きます」

誰も反論しなかった。

「私は艦隊を惑星の近くに一度戻します。あの惑星の変化を記録しておきたい。歴史学者の習慣です」

エリオが手帳を出した。すでに書き始めていた。

「アルヴィさんは」とリラが聞いた。

「もう少し旅を続けます。歪みの残滓がまだある。ブラートも来ますか」

「来る」とブラートが言った。即答だった。

「ルテとグランは」

「ついていきます」とルテが言った。グランが「当然だろ」と言った。

カイが言った。「俺はエルド・ラインに戻る」

「いつ」とティアが聞いた。

「明日の朝」

ティアは少し間を置いた。

「私は残る。ここの方が好きだから」

「好きにしろ」

ナイラが言った。「この街には、やるべきことが山積みです。ライラ、明日から」

「分かっています」とライラが言った。もうそちらを向いていた。

食堂に、いくつもの声が重なっていた。

リラはその声を聞きながら、カバンを膝に乗せていた。

不思議な本が入っていた。触れた。

温かかった。

急いていなかった。落ち着いていた。

終わった、という温度だった。


夜遅く、カイは城壁の外に出ていた。

草の上に座っていた。星が出ていた。

ポケットから紙を出した。

リラに渡した紙ではなかった。別の紙だった。

ペンを持っていた。

書いた。

うまくいかなかった。最初の一行が、何度も違う形になった。

書き直した。また書き直した。

三十分ほどかかった。

最後に一行だけ残った。

読み返した。

(これでいい)

ポケットに入れた。

立ち上がった。

星を見た。エルド・ラインの星とは並び方が違う。でも同じ星海だ、とカイは思った。どこにいても星海は星海だった。

明日、帰る。

帰る場所がある。でも——

カイはポケットに手を入れた。紙に触れた。

(ここにも、来る理由がある)

それだけだった。

城の方向へ歩き始めた。



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