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星の夜
夜、リラは書いている。
ペンが紙の上を走る。止まる。また走る。以前と違うのは、止まる時間が短くなったことだ。本を開かなくても、言葉が来る。どこから来るのか、まだうまく説明できない。自分の中のどこかから来る、としか言いようがない。
窓から光が入っている。
星の光だった。以前より、少し多く見える気がする。世界が融合してから、空の密度が変わった。この世界の星と、別の世界の星が、同じ夜空に混じっている。どれがどちらの星なのか、リラには分からない。でも気にしない。全部、同じ夜空の星だから。
ペンが止まった。
リラは窓の外を見る。北の方角に、規則正しく並んだ光がある。シオン艦隊の停泊している区域だ。戦いが終わってから、艦隊はずっとあそこにいる。街の人々はもう慣れた。最初は腰を抜かしていた老人たちも、今では「今日も浮いとるな」と言いながら畑を耕している。
リラはその光を見ながら、ペンを置く。
(おとぎ話の先は、まだ誰も書いていない)
それは怖いことではなかった。少なくとも今夜は。




