表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/19

中学2年生

2年生になり、クラス替えがあった。

その時に一緒になったC晶と仲良くなり、M穂と3人グループでの行動することが多くなっていった。

どちらかというと3人とも大人しい性格で、引っ込み思案。

それをからかってくる男子もいたけど、この時は一人じゃなかったから、多少は平気だった。

そう、アイツに目を付けられるまでは。


クラスで目立つ存在のN君と何名か同じ小学校だった男子達が、私達に目を付けて、何かと嫌がらせをしてきた。

N之は生まれつき髪の色が茶髪で、それなりに顔も整っていて、下級生の子達から結構人気だった。

ただ、あの性格を知らないだけで。


気に入らないことは何でも、突き放す。

それは授業中でも、関係なく。


数学の時間、担当の男性教師が気に入らず、授業妨害もしていた。

何度かその教師と取っ組み合いにもなったし、完全に犬猿の仲だった。


そんなN之が、無口な私・鼻炎持ちなM穂・天パのC晶を見て、「辛口、ダラン、チョーソン」と変なあだ名を付けて、私達を名指ししていた。

そして3人まとめて「爆弾ボーイズ」とか言って、ほかの男子が、「女子なのにボーイズ?」と笑いながら応えていた。


ちょうど、中学の時に連絡ノートがあり、そのことをさりげなく書いて担任に報告したこともあった。

でも担任は、特に何もせず、ただ、返すときに一言、「教えてくれて有難う、こんな私で良ければいつでも相談に乗るからね」と言った。

この時はまだ、担任というか、大人を信用していなかったこともあって、「結局は何もしてくれないんでしょ?」と思っていた。


夏休みに入り、職場見学が行われた。

丁度自分たちの進路についていろいろと考える時期でもあって、毎年2年の夏休みに行われていた。

私は昔から絵を描くことと物作りが好きなので、美術部に入っていて、それを生かしてデザイン系の学校へ行きたかった。

でも、姉が東京のデザイン系の専門学校へ行きたいと言い出して、いろいろパンフレットを集めたり、体験学習などに参加したりと行動していた。


うちの家計は二人も専門学校へ行かせられる程裕福でもなく、どちらかが高校卒業後進学するならもう一人は高校卒業後に即就職するしかない状況で。

母親が姉の専門行きを反対していたが、父と祖父は「子どもには夢を追わせろ」と言い、賛成していた。

結局、姉が専門学校へ行くことが決まり、私が高校卒業後に就職すると言うことで、姉と同じ高校の商業科へ行くことが決定された。


姉は普通科で、私は商業科。

しかも、また同じ学校。

本当は、高校は被服科のある高校へ行きたかったのに、レベルも足りないとのことで、諦めざるをえなかった。


正直な話、姉の描く絵は何を描いているのか良く分からない程度で、私とは違い一度も絵画展などの賞を取ったことも無い。

「私より絵が下手なのに、なんでデザイン系の学校に行きたいの?」

「やりたいこと、姉ばかり全部好きにやらせて、なぜ私にはさせてくれないの?」

いろいろと思うことはあったけど、家族にそれを言う前に、先にこう言われた。


『お前には悪いが、家の犠牲になってもらう』


夢が崩れ始めた。



そして夏休みが終わり、2学期が始まると同時に、クラス内でのイジメがエスカレートしていた。

クラス替えをしてから始まった、グループに対する嫌がらせは、それぞれ個人的に集中されていくほどになって、最初は男女の一部からだったのが、クラスメイト全員にされる様になってた。

関係ない人は無視をし傍観者になる者、面白がって一緒に笑う者、その二つに分かれた。


そしてある日の授業中、私が教師から指名されて問題を問われるが、答えが分からずにいると「今日はいないので答えられませーん」と言われ、存在を否定された。


だんだんと学校に行くのが苦しくなって、また休もうとも思ったけど、いまは仲のいい友人がいて、心配掛けたくないという思いもあって、無理して通い続けた。

この頃はまだ、信じていた。

友人たちのいる場所が、自分の場所だって。


そう、この頃はまだ、信じていたんだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ