表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Re:LIGHT  作者: アレテマス
第二幕
87/143

39.5話【愛バカ】


 双葉と再会を果たした一同。聡の屋敷にて祝杯を挙げ楽しい夜の時間を過ごす。


 だが、そんな楽しい時間の中で、ソファに仲良く座る黒木と双葉は周りのことなど気にせず、只管(ひたすら)にイチャついているのである。双葉は腕を組んで黒木の肩に頭を乗せて寄り掛かっている。


双葉

「ねぇ、黒木さん」


黒木

「何ですか?」


双葉

「【好き】って言って」


黒木

「勿論です。…好きですよ、双葉さん」


双葉

「キャーッ♫」


彼女は嬉しそうな表情で足をバタつかせる。黒木も楽しそうにしている双葉を見てニコニコと優しく見守るのである。とても甘々である。


 この二人の様子を、ジュリと高田と春香の三人はずっと遠くのテーブルから見つめていた。どうやってもあの空間に入り込む事のは不可能なのだ。


ジュリ

「なんていうか…ゲロ甘ですね、あの二人…」


高田

「あぁ、ゲロ甘だな」


春香

「超甘ですね」


ジュリ

「元気なのは良かったですけど、あんな甘々なの見せられる身の事も考えて欲しいもんですよ、全く」


ジュリは態とらしく溜息を吐いて呆れる。


春香

「そうかな?私はすっごく嬉しいよ!黒木さん、さっき話したばかりだけど、直ぐに良い人だって分かっちゃったし。双葉さんととっても似合ってるカップルだと思うな!」


高田

「フーッ…!フゥーッ…!!」


春香

「え、ええっ!?高田さんどうしたんですか!?」


突然息を荒くする高田に春香はビビって驚く。


高田

「双葉ちゃんを手に入れて…!!ハルちゃんにも褒められる黒木…!!なんて贅沢な野郎なんだ…!!許せん…!絶対に許さんぞ…!!」


ジュリ

「なんかまたバカなこと言ってますね」


高田

「覚悟しろ…!…ジュリちゃん!!」


ジュリ

「いやなんで私!?」


高田

「いやだってさー!?この怒りもジュリちゃんが引き受けてくれるんじゃないの!?」


ジュリ

「しょーもない怒りを私に表現させようとすんな!!」


ギャーギャーと言い合う二人を見て、春香は可笑しそうに笑う。


春香

「アハハハハ!ジュリちゃんと高田さん、仲が良いんですね!」


高田

「あっ、分かります?そーなんですよ、何だかんだつまんねーボケでもノッてくれるから……って、イテェ!!?」


ジュリはゲシゲシと高田の足を蹴り続ける。


ジュリ

「こんな奴と仲が良いと言われても嬉しくありませんよ」


高田

「痛い痛い痛い!!やめてジュリちゃん!!最近力加減適当になってるって!!」


春香

「アハハハハ!!…あっ」


三人がそうこうしてると、黒木と双葉の方にも動きがあった。


 双葉の手にはケーキが乗った皿を持っていて、ケーキをフォークで刺すと、黒木の口元へと近付ける。


双葉

「ほらほら、あーん♫」


黒木

「じ、自分で食べれますよ双葉さん」


双葉

「私がやりたいの♫はい、あーん♫」


黒木

「あ、あーん…」


黒木は照れながらも口を開けてケーキを食べる。二人はお互いの目を合わせ幸せそうに笑い合う。


高田

「オアアアアアアッ!!」


そしてその二人を見て頭を抱え絶叫する高田。逆に隣の春香は尊い目で手を合わせて見守ってる。


高田

「くそう…!畜生…!!俺も双葉ちゃんにアーンしてもらいてぇよぉ…!!黒木の奴めぇ…!あんな幸せそうな顔してんの狡すぎんだろ…!!二人ともこれからも幸せにな…!!」


ジュリ

「妬んでるのか祝ってるのハッキリしてくださいよ…」


「あんらぁ〜♡高田ちゃんアーンしてほしいのん?それならアティシがサービスしてあ・げ・りゅ♡」


キッチンから戻ってきた聡は腰をくねらせ、ドギツイウインクをバチーンとキメる。


高田

「あっ、今そういうのは本当に求めてないんで。すみません」


「あぁん!ノリわるぅい!!それじゃあハルちゃんにしてもらうしかないわね」


春香

「ええっ!?私ですか!?いや、まぁ、それぐらいなら別にやっても…いいですけどー…?」


高田

「ウォオオオオオ!?マジですか!?」


ジュリ

(この屋敷…まともな大人がいねぇ…)



奥ではイチャイチャ


手前でもイチャイチャ?


そして腰をくねらせ踊り狂う狂人



一体あの時の感動は何処へ行った?



ジュリは遠い目で一人そう思うのであった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ