34.5話【其々の一場面】③
10.【試される個性】
PM19:07 RABiの住むマンション
TOP4の四人はRABiの家へ仕事終わりに集まり女子会を開く。今日は難波がSunnaへ所属が変わった祝いも兼ねてである。
春香
「まさか難波さんがSunnaに来るなんて予想外でした!これからは事務所で会うかもしれませんね!」
難波
「ホンマ社長には感謝してるわ。社長の思いに応えるためにも、もっと頑張らなあかんな!」
姫川
「しかし個性の強いモデル…ですか…Sunnaのモデルの人達は、一般人に親しみやすいよう、読モから集められた人が多いイメージなので、何かに特化したモデルを集める…という事なのでしょうか?」
RABi
「うーん…それなら難波さんって個性弱くない?関西人ってだけだし…」
難波
「ハァーン?どういうことやラビィ?関西人じゃなきゃウチはタダのモブやって言いたいんか?」
RABi
「いたたたたたっ!!違う違う違う!!」
難波はキレ気味でRABiの太腿を抓る。必死の抵抗の元、何とか手を離してくれた。
RABi
「ま、まぁそれはともかく…個性かぁー。今の時代って多様性を求められる訳だし、確かに今後の事を考えたらそういう人達も注目されていくのかな?」
春香
「えっ!?そ、それって私、生き残れるかな!?ただの大学生だし…」
難波
「イヤイヤ、TOP4の時点で凄いやろ。もっと自信もちーや」
RABi
「んー、そうだなー…生き残るとして参考にするならやっぱり……【パーフェクトモデル】?」
難波
「レベル高いて自分。…まぁ、【パーフェクトモデル】は現代においての需要を理解していたのは間違いないわな。そんな訳で姫川、お前ちょい双葉の真似してみーや」
姫川
「え、ええ…?いきなりですね…」
難波
「また聞く専になっとるやんけ。ほら、やってみぃや」
春香
「私も見てみたいです!」
姫川
「え、えぇ……?で、では……」
姫川はウインクをして照れながらピースをする。
姫川
「ヤッホーフタバダヨー」
春香・RABi
(可愛い…)
難波
「…何や自分。なかなかおもろいやん」
姫川
「…ごめんなさい。今のは忘れてください」
渾身のモノマネが思ってた方向とは別の方にウケたのが、姫川は納得できなかった。
11.【正に天才】
AM10:02 Sunna事務所 休憩スペース
二奈
「ジュリっぺー!!ここにいたんだー!!オッハー!!!」
朝から耳が痛くなる程の大声で挨拶を交わす二奈。ジュリはソファで横になり寛ぎながらスマホを見続けていて、二奈の相手を全くしない。
ジュリ
「……」
二奈
「アッハッハ!!無視されてワロタァ!!」
ゲラゲラと一人で笑いながら近くの別のソファに座る。
二奈
「ねー!それよか聞いてよジュリっぺー!!ウチ、スゲー事気付いたんよぉ〜!」
ジュリ
「……」
二奈
「ほらほら?コンビニにさぁ【パッピー】ってあるじゃん?一つ買ったら二人で分けて食べれる棒アイス!!あれさー、いつもにーにと分けて食べてるんだけどぉ〜…」
二奈
「…分けずに独り占めしたら、美味しさ2倍じゃね??」
ドヤッとする二奈にスマホを机に置いてジュリはゆっくりと彼女を見る。
その表情は【こいつ馬鹿だ】と哀れむものであった。
ジュリ
「…それがスゲー事?」
二奈
「え?やばない?だって一本でもチョー美味いのにさぁ?それを二本も食べれるってわけじゃん?それってつまり、ハッピーハッピーハッピー!!じゃね?」
ジュリ
「…そうだね。アンタの脳がハッピーなのはよーくわかった」
二奈
「で、ここからが本題なんだけど…にーににバレず、パッピーを2本食べる方法、一緒に考えてくんね?」
ジュリ
「…は?」
二奈
「買い物する時いっつもにーにと一緒だからさー!なんとかバレずに買いたいんだよねー?なんか良い方法ないかなー?」
【こいつ馬鹿だ】と哀れむ顔は、軈て【こいつ、本当に馬鹿だ】という顔へと変わる。
ジュリ
「…いや、一人で買いに行けば良くない?」
二奈
「…!!」
ジュリの提案に二奈は、ビックリ仰天な表情でジュリを指を指す。【それな!】と言いたいのだろう。
二奈
「…やっば。ジュリっぺ、天才すぎん?」
一馬
「パッピーを二本食べるのは、僕が許しませんよ、妹」
二奈
「!?にーに!!」
一馬はいつのまにやら二奈のソファの後ろに立っていた。気配無く現れる彼にジュリも声には出ないがビックリしている。
一馬
「妹。何故僕がパッピーを分けているか…分かりマスか?」
二奈
「えっ…?!にーにと分ける為じゃないの?」
一馬
「違いマス。パッピーを分ける理由……それは」
一馬
「二本食べるとお腹を壊すからデス」
二奈
「!?そ、それじゃあにーにはウチのお腹を守る為に…!?それも知らずウチは禁忌を犯そうとしてたなんて…!ウワーン!!にーにごめーん!!」
一馬
「分かればいいのデス、妹」
二奈は泣いて一馬に抱き付く。彼は喧しい妹をジト目のまま優しく頭を撫でていた。
ジュリ
「……」
一馬の発言にジュリは確信する。
この兄妹、二人とも馬鹿だと。
そしてこんな馬鹿な兄妹とこれから一緒に仕事をすることへ、一人絶望を感じていた。




