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【完結】Re:LIGHT  作者: アレテマス
第二幕
59/150

26.5話【興味ないんであげます】


PM13:23 サンドルチェ・カフェ


ジュリ

「簡単に言えば黒木さんが双葉先輩にしていた事ですよ。元はと言えば、黒木さんの趣味を探す事が目的だったんでしょ?それなら双葉先輩がいなくとも継続は出来ますよ。…はい、どうぞ」


そう言ってジュリは一つのチケットを取り出して机の上に置く。チケットには


【PP⭐︎STAR Fan Festival Live】


と書かれている。


黒木

「…これは?」


ジュリ

「SunnaとCinderella Productionの社長は仲が良くですね…先日Sunnaのスタッフに、これを配られたわけなんですけど…私はこういうキラキラしたもの興味ないんで黒木さんにあげます」


………


…遡ること5月


Sunna事務所 撮影スタジオ


 今日は撮影スタジオのセットを端に避けて4月に入社した新人モデルの歓迎会イベントとして多くのスタッフが集まっていた。スタジオの前に用意されたステージにはKENGOが立つ。


KENGO

「はーい!というわけで今年も無事に新入モデルに社員も入社したので、毎年恒例の新人歓迎会を始めたいと思いまーす!」


KENGO

「今年も沢山の豪華景品を用意したので、頑張って当ててくださいねー!まず一つ目は50型テレビ!」


スタッフ

「ウォオオオオオ!」


春香

「すごー!今年は気合い入ってるねー!」


歓喜するスタッフ達の中に春香も混ざってキラキラと目を輝かせている。


 そんな彼女の隣にはつまらなさそうな表情でスマホでWeTubeを見ているジュリがいた。ジュリは春香に無理矢理連れてこられたのである。


ジュリ

「なんで私も参加しなきゃならないんですか…」


春香

「まあまあそんなこと言わずに!ジュリちゃんは去年も参加してないでしょ?新人歓迎会の景品は毎回凄いからせっかくだし楽しもう!」


ジュリ

「はいはい…」


KENGO

「二つ目は最新ゲーム機PX5!三つ目は自動掃除機ルンバーン!」


スタッフ

「ウォオオオオオ!!」


ジュリ

(くだらない…)


ジュリはどうでも良さそうに動画を見ながら話を聞いてる。


KENGO

「そして特別賞には【PP⭐︎STAR Fan Festival Live】チケットを一枚!これは皆さんがここに入る時に配布した番号札を、このルーレットで一致した方にプレゼントします!」


スタッフ

「ウォオオオオオオオ!!」


そう言ってKENGOは秘書が用意したルーレットを早速回す。


 勢いよく回転するルーレットが止まった数字は【21】参加者は其々自分の数字を確認するものの誰も手を上げない。


春香

「んー、私は違うみたい。どう?ジュリちゃん?」


ジュリ

「え?一々確認してませんよ?」


春香

「もー、そんなこと言わないで見ようよー」


ジュリ

「大体こういうのってそんな上手い事当たるわけが…」


ジュリはポケットに入れていた番号札を取り出し確認する。彼女の数字は【21】だった。


ジュリ

「…マジか」


春香

「!ジュリちゃん凄い!ほら!早く手を上げないと!」


ジュリ

「嫌です」


春香

「えぇ!?なんで!?」


ジュリ

「別にPP⭐︎STAR興味ないし、ステージの上に立って注目されるのも嫌です。この番号春香先輩に譲りますよ」


春香

「ダメダメダメダメ!?」


KENGO

「あれ?いないのかな?誰かに当たるようにはちゃんとしてるのだけど…再抽選しようかな?」


春香

「あ、あぁ!ヤバいよー!ほら早く!」


「話は聞かせてもらったわぁん!」


春香

「!」


二人の元に聡が現れ、ジュリの番号札を受け取る。


「アティシ、PPガチ勢なの。ジュリちゃんが興味ないなら、アティシが貰っちゃうわよん?」


ジュリ

「どうぞどうぞ」


「ふっ、(かたじけな)いわね…ケンちゃん!!当たったのはこのファンタスティック⭐︎聡よん!!」


聡はビシッとポーズを決めて手を挙げる。


KENGO

「おぉ、聡君だったか!おめでとう!」


聡は拍手に囲まれながらステージに向かってクネクネと歩いていく。


春香

「本当に良かったの?ジュリちゃん」


ジュリ

「いいんですよ。興味ない人が持ってるより、好きな人の手に渡った方がいいでしょ」


春香

「それはそうだけど…」


聡はチケットを貰うと二人の元へと戻ってきた。すると、彼はチケットをジュリに渡す。


「はいジュリちゃん」


ジュリ

「え?…いや、要らないって言ってるじゃないですか」


「そう言わないの。この多くの人間の中で選ばれた数字を手にしたのは貴方なのよん?この幸運を握ったって意味で受け取りなさい。拒否権はないわ!」


ジュリ

「はぁ…」


聡の圧に押され、嫌々とチケットを受け取る。


「そのチケットは幸運の象徴。もしも貴方が興味がないのなら、貴方が見せたいと思う人に譲ってみるのはどう?」


ジュリ

「見せたいと思う人…?そんなのいないんだけど」


「じゃあ貴方の幸運をお裾分けする気持ちで渡すなんてどう?こう…貴方には幸せになって欲しいからアティシの幸せ分けちゃうー!って意味で」


春香

「いいですねそれ!ジュリちゃんにもそういう人はいるでしょ?」


ジュリ

「幸せになって欲しい人……ですか」


………



黒木

「しんでれら…ぷろだくしょん…?ぴーぴー…すたー…??」


喜ばずにアイドルグループと事務所を読み上げる黒木に、ジュリは思わず固まった。


ジュリ

「…えっ、PP⭐︎STAR知らないんですか?超有名ですよ?」


黒木

「ごめん…わからない」


ジュリ

「…マジですか。どんだけ双葉先輩以外興味ないんですか貴方は…」


ジュリ

(この人が双葉先輩以外に興味を持つとは思えないけど……PP⭐︎STARなら、この人を元気にしてくれるかもしれない)


ジュリ

(今巷で注目されている最強アイドルモデルRABi…アンタに黒木さんの心を動かせる事は出来るかな?)


ジュリ

「…いちいち突っ込んでても面倒だしPP⭐︎STARの事は高田さんから…」



チケットを渡し終えたジュリは次の仕事に向かう為に店を出る。このチケットが黒木にとって幸運を呼び寄せるのか…彼女は一人ひっそりと期待するのであった。


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