10.5話【双葉大好き女子クラブ】
PM12:06 Sunna 食堂
春香
「さぁ始まりました。第8回双葉大好き女子クラブ。本日も双葉さんに纏わる楽しいトークをしていきましょう」
【双葉大好き女子クラブ会員No.2】
元気が売りの現役女子大生 期待のモデル 春香
フレン
「皆さん、双葉ちゃんのエピソードを用意できましたか?」
【双葉大好き女子クラブ会員No.1】
ツインテールモデルと言えば私だろ ハーフモデル フレン
聡
「フッ…今日も沢山カワウィ〜話、聴かせてちょうだい」
【双葉大好き女子クラブ会員No.3】
推しが超ファンタスティック 【B&F】ファンタスティック⭐︎聡
ジュリ
「帰っていいですか」
【双葉大好き女子クラブ仮入部中】
絶賛反抗期、暇なんだよ仕事を寄越せ 新人モデル ジュリ
春香
「待って待ってジュリちゃん!?今始まったばかりだよ!?」
ジュリ
「始まったも何も…たまたま隣に座っただけなのに、何勝手に意味わかんないクラブに入れられてるんですか私」
フレン
「まーまーそー言わずにさ。ジュリちゃんも双葉ちゃんに憧れてSunnaに入ったんでしょ?私達のクラブに入れば、憧れの先輩の話沢山聴けちゃうよ〜??」
ジュリ
「別に興味ないです……え、ちょっと待って?よく考えたらこの会【双葉大好き女子クラブ】ですよね?異物混ざってません?」
聡
「異物って何よ異物って!!アティシは時に乙女に変わり!時にダンディーなハンサムに変身するファンタスティックな心を持ってるのよ!!今のアティシは双葉ちゃんを愛する一人のお・と・め♡」
ジュリ
「きっしょ」
聡
「……」
フレン
「割とガチ目に凹んでるからこれ以上やめてあげて。……とにかく!本題に移りましょう!ジュリちゃんもせっかくだし聞いていって!ね?」
ジュリ
「はいはい…わかりましたよ」
フレン
「それじゃあ早速…まずは私から。これは一昨日の話なんだけどね…」
…………
Sunna事務所 休憩スペース
フレン
「えー!嘘ー!!」
双葉
「あっ、お疲れーフレンちゃん。どうしたの?」
フレン
「あっ!双葉ちゃんお疲れ様!ねー聞いてよ!今日めっちゃ寒いから自販機でホット買おうと思ったんだけどさー、全部売れ切れー…マジ最悪だしー」
双葉
「あー、この時期だとみんな買うもんねー。…フレンちゃん、まだ時間ある?」
フレン
「へ?あるけど…」
双葉
「じゃ、近くのコンビニまで一緒にホットを買いに行こ?最近のフレンちゃんの話、聞きたかったしさ」
フレン
「ええ!?いいの!?」
双葉
「何が?」
フレン
「いやだってほら?!双葉ちゃん忙しいでしょ!?私なんかに時間なんて使わなくても…」
双葉はフレンの前に一歩歩み寄り、上目遣いでフレンを見つめる。
双葉
「私はフレンちゃんの話が聞けるなら、時間なんて気にしないよ?」
フレン
「はわわぁ…!!」
…………
フレン
「…なんて事がありました」
春香&聡
「可愛いィ〜!!」
フレン
「いやもうマジで対応が神。ほんっとうに愛してる双葉ちゃん。私じゃなきゃ、あの上目遣いには耐えれなかったですね、はい」
聡
「あの子、そういうところ直ぐ言い出せる辺りが本当に優しい子よね〜」
春香
「そうですよね!私もあの人の思い遣りに何度救われたことか…うんうん」
ジュリ
「…えっ。こんなノリがずっと続くんですか、これ?…マジで帰っていいですか、私」
春香
「そんな事言わないでジュリちゃん!?次のエピソードに期待して!?」
聡
「ほほう?それなら聴かせてちょうだいハルちゃん!貴方の全力の双葉ラブを!!」
春香
「はい!!あれは丁度昨日なんですけど!!」
ジュリ
(うっさ…)
…………
Sunna事務所 撮影スタジオ
スタッフ
「一旦休憩入りまーす」
春香
「ふぅ…」
双葉
「綺麗に撮れてるね、春香ちゃん♫」
春香
「!?ふ、双葉さん!どうしてここに!?」
双葉
「今日はここで新しいポートフォリオを撮る事になったんだ。今は待機中〜」
春香
「そ、そうなんですね!」
双葉
「…あれ?春香ちゃん疲れてる?」
春香
「あ、あはは…朝からずっと撮ってたもので…あっ!でも、双葉さんに頭を撫でられたら元気になりますよー!!…なんちゃって、あはは」
双葉は直ぐに手を春香の頭に乗せて優しく撫でる。
春香
「!?ふ、双葉さん!?」
双葉
「頑張って偉いねー春香ちゃん。よしよーし」
春香
「あぁぁ…!し、幸せ〜…!!」
…………
春香
「…なんて事があったんです!」
フレン
「…え?いつも通りじゃない?」
聡
「ええ、いつも通りね」
春香
「あれー!!?」
フレン
「いや、春香ちゃんっていつも双葉ちゃんに頭撫でられてるイメージしかないんだけど」
聡
「アティシ、ハルちゃんは双葉ちゃんのペットだと思ってたし…」
春香
「えー!?双葉さんのペット!?…わ、悪くないかも」
聡
「いや、流石に人間として良くないわよ」
フレン
「残念ながら春香ちゃんのエピソードは、可愛いポイント無しということでお願いします」
春香
「うぐぐ…可愛いポイント獲得ならず…ジュリちゃんはどうだった?」
ジュリ
「〜♫」
春香
「サブスク聴いてるー!!?」
聡
「フッ…アンタ達はまるでなってないわね…雑魚中の雑魚よ…アティシの華麗なるファンタスティック⭐︎エピソードを披露してあげる」
フレン
「さっき可愛いって言ってましたよね?」
聡
「そう、あれは昨日の撮影の休憩中…」
…………
Sunna事務所 撮影スタジオ 休憩中
双葉
「暇だよー聡ちゃん。何か面白いことやってー」
聡
「アンタそれ今の時代じゃハラスメント認定されるわよ。でもまぁ、【パーフェクトモデル】様がお望みなら?アティシも少しは頑張っちゃおう、かな?」
双葉
「おおー、流石は聡ちゃん。で、何を見せてくれるの?」
聡
「見てなさい双葉ちゃん。これはファンタスティックすぎて1日に一回しか出来ない究極の隠し芸なの。…準備はいい?」
スタッフ
「撮影再開しまーす」
双葉
「はーい」
双葉は聡の事を気にせず現場へ戻って行った。
聡
「……」
…………
フレン
「まてまてまてまて」
聡
「ん?どうかした?フレンちゃん」
春香
「いや何ですかそのエピソード!?何処がファンタスティックだったんですかそれ!?」
聡
「近況報告!いつも通り可愛かったです!!はい!おしまい!!」
フレン
「雑に終わらすな!」
ジュリ
「いや…マジで何なんですかこのクラブ…メンバー全員滅茶苦茶じゃないですか」
聡
「あら?何だかんだ最後まで話は聞いてくれてたのね、ジュリちゃん」
ジュリ
「うるさすぎて嫌でも聴こえてきましたよ…」
フレン
「因みにジュリちゃんは双葉ちゃんとのエピソード最近あった?」
ジュリ
「え?………今日の朝、双葉さんと出会いましたけど、応援のハグだって抱きついてきました」
フレン&春香
「「えーっ!!?」」
春香
「ずるいよジュリちゃん!何で黙ってたの!?私だって抱きつかれたいのにー!!」
ジュリ
「ハァ!?こっちは抱きついてくれって頼んでもないですよ!?向こうが勝手にやってきただけです!!」
フレン
「貴様ァー!!勝手にやったとは何だー!?取り消せよその言葉!!」
ジュリ
「ちょっ、フォーク振り回さない!子供かアンタら!聡さんも見てないで止めてください!」
聡
「…ジュリちゃん。今日から貴方は【双葉大好き女子クラブ会員No.4】よ…おめでとう」
ジュリ
「ハァ!?ふざけんなマジで!!」
春香
「え!?会員になるの!?よろしくねジュリちゃん!」
ジュリ
「話聞けよ!!ちょっ、誰かー!!まともな人ちょっときてー!!」
ギャーギャーと騒ぐ四人に、移動中の双葉と細田が足を止めて遠くから見ていた。
双葉
「みんな、楽しそうにしてるね」
細田
「…そうね」