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【完結】Re:LIGHT  作者: アレテマス
第三幕
148/150

74.5話【一年後の貴方へ送るメッセージ】


……


先輩へ



お元気ですか?



先輩が海外へ転勤してから一年が過ぎましたね。



僕の方は順調です。毎日忙しくて大変ですが、



森山ちゃんと帰りに居酒屋へ行く



楽しみが増えてからは



それなりにこの生活を楽しんでいます。



それにしても、あの伝説の一夜から



もう一年が経ったんですね。



時の流れはというのは、本当に早いものだ。



こっちの方は、あれから色々とありましたよ。



まずはSunna



双葉さんが見せた【奇跡】



これが大きな影響を与えたみたいで



Sunnaの信用問題は無事に解決したみたいです。



そして、今回の騒動を機に



KENGO社長は責任を取る形で退任。



次期社長は、Sunna設立時からずっと会社を支え



KENGO社長からも非常に信頼されていた



細田さんが務める事になったみたいです。



だけど、細田さんは静かに暮らしたいのと



残りの余生は本屋をやりたいという夢があるようで



形では細田さんが社長にはなるみたいですが、



業務に関してはKENGO【元】社長が、



引き続き行うみたいです。



ファンタスティック⭐︎聡さんは、



『この世界には、アティシが想像している以上にファンタスティックで満ち溢れているわぁん?だ・か・ら、アティシ探しの旅に行ってくる♡』



って言い残して、Sunnaから出て行ったそうです。



誰にも縛られず、己のままに世界を旅をする



ロマン溢れるお方…



…と、思ってたのですが



実際はそんなお金も時間もなくて、



一ヶ月後にはすんなり戻ってきて



再雇用されたみたいです。



ハルちゃんはモデル業で注目されてからは



人知れずそのプレッシャーに病んでしまい



一時は引退を考えてたみたいなのですが



TOP4との思い出が忘れられず、



今も日本を代表するモデルとして活躍しています。



TOP4のメンバーとは解散した今も、



交流を続けているみたいですよ。



そうそう



ダブル・アイのプロジェクトは



SunnaとRyu-Oお互いの企業発展として



成功を収めたそうです。



契約も満期を迎え、流王兄妹は再びRyu-Oブランドの



専属モデルに戻る予定だったのですが、



ジュリちゃんが物凄く駄々を捏ねたそうで



KENGO社長と流王社長が話し合った結果、



今後も協業を続ける事になったみたいです。



今では多くの若者から支持をされているダブル・アイ



結果的に、ジュリちゃんの我儘が両社の



利益に繋がったようですね。



そして、かつてのTOP4の人達はですね、



解散した後も其々大活躍してますよ。



姫川さんはフリーモデルになった今も活動を続け、



常に仕事に追われる日々だそうで…



モデルとしてのプロフェッショナル精神は



ずっと忘れる事はないのでしょうね。



難波さんはSunnaに残り続け、東京を中心に



活動を続けてます。



時々大阪に戻っては、元山興業で活躍するモデル達の



面倒を見ているそうです。



その時には毎回元山社長が作る



お好み焼きをご馳走になってるみたいですよ。



RABiさんは、PP⭐︎STARが世界的に大ヒットして



ワールドツアーが決定。



日本を代表するアイドルグループは



遂に世界へと旅立ちました。



RABiさんの最強に可愛い笑顔は



どの国でも虜にしちゃうみたいですね。



…そうだ。悲しい話もあります。



華城さんは、スタコレの件による



自身の暴走をメディアに暴かれて大炎上。



完全に行き場を失った彼女は



誰にも知られる事もなく、悲しまれる事もなく、



ひっそりと引退したそうです。



まぁ、あれだけの事をしてきたわけで…



この様な終わり方は因果応報というか…



それでも、一時はトップモデルとして



ファンに親しまれ、活躍していた人なだけに



僕は悲しく感じてしまいますね……



…だけど、そんな中でも少しだけ救いの手はあったみたいです



姫川さんが時々、華城の元へ訪問しているみたいです。



一時期はお互いに恨み合う程、仲が最悪だったけれども、



お互いに気付けなかった部分を見つめ直し、



今は少しずつですが距離を戻していってるそうです。



そして、桜井秀樹の遺体ですが…



例のスタコレが終わった後、直ぐに双葉さんは預かっている病院へと訪問して



彼の遺体を引き取ったそうです。



その後、自分を唯一心から愛してくれた元妻



【星谷 美花】の墓の隣に、彼の墓が建てられたみたいです。



彼は彼なりに報われたのかもしれませんね。



聞いた話によりますと、



美花さんが亡くなられてから双葉さんは一度も



お墓参りに姿を現さなかったのですが、



今回の通して、両親のお墓参りを行ったそうです。



星谷家として…桜井家として…



双葉さんは両親を、赦したんじゃないでしょうか?



そうそう、それと美花さんの事でもう一件。



美花さんと細田さんの思い出の場所である



喫茶【飛行船】



今年で閉店する予定だったのですが



双葉さんが、店を継続出来るようにと



多額の支援金を提供したそうです。



そして、そんな飛行船の二代目として



元Sunnaモデルの【キリコ】と呼ばれる女性が



飛行船を引き継いだみたいですよ。



なんというか、母親の思い出の場所を残す方法が



あまりにもパワープレイすぎる気もしますが…



自分らしく生きると選んだ双葉さんらしい



やり方だなって思っちゃいました。



…え?



そんな双葉さんはどうしてるのかって?



「…おい」



…そうですよね、そこ、気になりますよね?



それは当然でしょう。



だって、彼女は生きる伝説。



365日、24時間と伝説を生み出す天才ですから。



「…おいって」



…ではでは、お待たせしました。



双葉さんについてですが…



彼女は今、黒木さんと……





パァン!!!



小嶋

「…〜ッゥゥ!!イッタァ〜…ッ!!!」


歯を食い縛り、頭を痛そうに抑え悶える小嶋。彼の隣には、雑誌を叩きやすい形に丸めて握る斎藤が立っていた。


 ここはMARUKADO本社。小嶋は会社用のパソコンにずっと集中してワードを入力していると、斎藤の呼び声にも気付かなかった。


 その結果、斎藤によって(くる)められた雑誌で思いっきり叩かれて、非常に綺麗な音を奏でるのであった。その一部始終を見ていた周りの社員も、呆れる様に笑っている。


小嶋

「な、なにするんですかぁー!!!」


斎藤

「何ってお前…仕事中に何書いてんだよ。俺を勝手に転勤させてるわ、今まであったこと淡々と書いてるわ…そんなもん書いて誰に見せるって言うんだよ」


小嶋

「だってぇ〜…最近の先輩がネチネチウザいこと言ってくるからぁ〜…転勤したノリで今までの思い出を書いておけば、先輩の転勤も実現するんじゃないかって…」


パァン!!


小嶋

「いっだぁぁあああ!!?」


強力な一振りが、再び小嶋の頭に炸裂する。


斎藤

「そんな馬鹿なことやってねぇで仕事をしろ。…ったく、一年前はお前の成長ぶりに感動したって言うのによ…結局は元通りってか…これが平和ボケって奴なのかね」


小嶋

「えっ、先輩はまた一年前みたいに狙われたいんですか?そんなハラハラ人生を過ごすのがお好きで?」


斎藤

「……そうだな。そう考えたら平和ボケしてる方が百倍マシか。だからと言って、そんなくだらねえ振り返りを書いていいってもんじゃねえだろ」


小嶋

「ウワー!?皆さん!!この人くだらないって言いましたよ!?人がせっかく時間をかけて書いたこの記録を…いっだぁあああああ!!!」


叫ぶ口を黙らせる様に、三度目の攻撃が小嶋の頭に大ダメージを与えるのだった…


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