5話【ホットな二人】
PM21:20 PEACEFUL RETREAT
聡
「キリコちゅわ〜ん♡遊びに来たわよぉ〜ん!とりま様子見でファンタスティック⭐︎オレを淹れてちょ…」
客
「あっ」
聡
「アハーン?」
キリコ
「…ハァ〜。予約もなしに入ってくんな。後、ファンタスティックオレなんて、ここにはないよ」
聡
「ちょっとちょっとぉ〜!イケイケプリプリエビフィレオなボーイじゃな〜い!!キャ〜ワイ〜!!お隣座っちゃ〜う!♡」
キリコ
「ごめんね。直ぐに追い出すから、少しだけ我慢してくれる?」
客
「いえ!大丈夫です!キリコさんの親友さんなら大歓迎です!」
キリコ
「親友じゃないんだけどな」
聡
「え!?親友じゃないの!?あんなに熱々なファンタスティック⭐︎ナイトフィーバーを共に過ごした仲だって言うのに!?酷いわ!!キリコちゃあん!!」
キリコ
「ごめん。アタシ個人がクッソ腹立ってるから、やっぱ追い出すわ」
聡
「あぁん!やめてぇ!キリコちゃあん!ファンタスティック⭐︎聡は優しくしないと、天罰が降り掛かるわよぉん!?…え、ちょ、ガチな奴?…スミマセン調子こきました。勘弁してください」
客
「キリコさん!俺は本当に大丈夫ですので!大目に見てあげてください!!」
キリコ
「チッ…命拾いしたね」
聡
「サンキュー!ハンサムワイルドボーイ!この恩、今日限定で覚えておくわ!…おっと失礼!アティシはこの世で最もファンタ」
キリコ
「コイツは矢澤聡。適当に呼んで良いよ」
聡
「無断本名晒しはエグいって、キリコちゃん」
客
「そうなんですね!俺は川崎です!よろしくお願いします!矢澤さん!」
聡
「聡って呼びなさい、川崎ちゃん。…にしても…フム…ホーホー…なるほどねぇーん…?」
キリコ
「…何さ」
聡
「ククク…このファンタスティック⭐︎キューピーレーダーによれば、アンタ達お二人は…仲が良いと見たわ!そうでしょ!?」
キリコ
「いや、ただの客なんだけど」
聡
「え!?嘘!?アティシのレーダーぶっ壊れた!?」
川崎
「あの…どうして仲が良いと思ったのですか?」
聡
「…フッ。良い質問ね、ミスター川崎。覚えておくと良いわ。キリコちゃんはね、嬉しいのを隠す時に腕を組むんだけど…その時に体がユラユラと揺れちゃって、喜びが隠し切れてないのよ」
聡
「今のキリコちゃんの態度は正にソレ!!あの【ダウナーモデル】として無気力キャラをプッシュしてた女が、本当は感情を隠すのが超下手ッピなのよ!!キリコちゃん!!恥を知りなさい!!」
キリコ
「オーケー。今ぶっ殺してやるから遺言の準備しな」
聡
「あぁん!怖ぁい!」
川崎
「それは本当なのですか!?キリコさん!」
キリコ
「え?本当だよ?包丁も研ぎたてだし、丁度いいや」
聡
「怖い怖い怖い。超ガチトーンで言うじゃん」
川崎
「いえ!そっちではなく、嬉しい時は体が揺れるって方です!正直さっきから少し揺れてたので、気になってはいました!」
キリコ
「……ハァ〜…本当だよ。無意識に動いているんだってさ。恥ずかしいところを見せちゃったね」
川崎
「いえ!!凄く!!可愛いです!!」
キリコ
「…やめなー?そんなのを軽々と言うのはさ」
聡
「あっ、また体が揺れて…アウチッ!?が、顔面はやめてキリコちゃん!!せめてファンタスティック⭐︎プリケツで勘弁してちょうだい!!」
キリコ
「コイツ…ホンット…」
川崎
「キリコさん!!」
キリコ
「…何?」
川崎
「俺!もっと色々なキリコさんを知りたいです!!貴方は俺にとって…!!」
キリコ
「…あー、ストップ。分かった分かった。分かったから、そんな大声でこっちが恥ずかしくなる事言わないでおくれよ」
キリコ
「…そんなに急がなくとも、ここの会員になれた君なら、アタシがどんな人間なのかをどんどん知れると思うよ。だから…まー…」
キリコ
「いつでもここにおいで?最高の一杯と、安らぎの時間を、君に届けてあげるからさ」
川崎
「!!キリコさん…!!勿論!!毎日通わせていただきます!!」
聡
「…え?これ、もしかして…アティシお邪魔インセクトだったかしら?」
キリコ
「…気付くのおっそ…」