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【完結】Re:LIGHT  作者: アレテマス
第二幕
102/150

47.5話【すれ違い】


 黒木と双葉がキャット・シーを楽しむ中、二人に問題がないかを遠くから尾行する一同。


 …とは言ったものの、せっかくテーマパークに来たので、大丈夫だろうと判断した後は自由に行動し始めていた。何よりもパーク内は人数(ひとかず)が多く、仮に黒木達をずっと追い掛けるのであれば、エンジョイ出来ないと考えたからである。


一馬

「見てくだサイ、二奈。このカチューシャ、これは映えマスネ」


二奈

「マジ良い!ジュリっぺも付けよーぜ!」


ジュリ

「いや…私は…」


一馬

「ジュリちゃん。絶対に、似合いマスヨ」


ジュリ

「ぐ…うぐぐ…」


一馬に押されてジュリは渋々とカチューシャを付ける。微笑ましい三人の様子を、遠くから春香と高田は見守っていた。


高田

「いやー。あの三人も楽しめてそうっすね」


春香

「はい!見ていてこっちも楽しくなりますね!…あの、高田さん」


高田

「ん?どうしたんすか?」


春香

「その…どうして私が休みの日に合わせてくれたのですか?いえ、勿論誘ってくれたのは嬉しいんですけど…別に私まで呼ばなくても大丈夫だったというか…」


春香に聞かれると、高田は腕を組んで少し悩ましく黙る。答えを求める彼女の為にも言わねばならないと思って、照れ臭そうに話す。


高田

「いやその、なんつーかですね…ハルちゃんって最近めっちゃ忙しいんじゃないですか?なんていうかこう、世間から【パーフェクトモデル】の代わりになるって思われて無理してるっていうか…」


高田

「まぁ要するにっすね!少しでもハルちゃんの癒しになる事があったら良いなって思って誘わせていただきました!最強の推しが幸せそうにしてるの見てると、俺達も眼福じゃないっすか?」


春香

「高田さん…」


ジュリ

「高田さん!ちょっとこの二人を止めてくださいよ!流石にウザくなってきました!」


二奈

「そんなこと言わずにこれも付けてみなよジュリっぺ〜♫」


一馬

「可愛い子には幾ら盛っても許されるといいマス」


高田

「おいおいおい。面白そうなことしてるじゃあしやせんか」


高田はジュリに呼ばれて三人の元へ向かう。春香はその場で残り、彼の背中姿を見つめ、軈て俯いた。


春香

(そうか…私はファンの人にそう思われてるのか…)


春香

(…ファンに心配されるなんて【パーフェクトモデル】なんかじゃない…)


高田

「?ハルちゃんもこっち来てくださいよ!」


春香

「…!はい!」


曇らせた表情を隠し、顔を上げて笑顔で高田達の元へ春香は走る。



彼女の心もまた、【パーフェクトモデル】の呪いに徐々に狂い出しているのである。


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