特別回【エピソード100】
…聡の屋敷。黒木と双葉が趣味探しから帰ってくると、テーブルの上には火のついたローソクが刺されたケーキが置かれていた。
双葉
「なんだろう、これ」
黒木
「なんでしょうか」
パァン!
突然クラッカーの音が鳴る。
二人の元には聡がパーティー衣装の姿で、細田を押しながら現れた。クラッカーの音は細田が鳴らしたらしい。
聡
「ンン〜!!ファンタスティック!!おめでとう〜!」
細田
「おめでとう」
双葉
「…?」
嬉しそうに祝ってくれるが、何のことか二人は心当たりが全く無くてポカンとしている。
双葉
「…黒木さん。今日誕生日だったの?」
黒木
「違います。…あの、細田さん。これは一体…?」
細田
「ごめんなさい黒木さん。聡さんがいきなり二人を祝いたいって言うから…」
聡
「そう、これはお二人のファンタスティック⭐︎ラブを祝うケーキ!これを食べれば永遠の愛で満たされるのよん!」
双葉
「本当は?」
聡
「はい。デパートのケーキが美味しそうだったから買ってきました。とりま人数分、切り分けるわねん」
スンッと落ち着ち、聡はケーキを四人分に切り分けていく。その様子を黒木と双葉は見守る。
双葉
「永遠の愛かー…大袈裟だけど、良い響きだねー」
黒木
「そうですね」
双葉
「まっ、そんなのを手に入れなくとも、黒木さんなら永遠に私を愛してくれるでしょ?」
黒木
「はい、勿論です」
双葉
「さっすがー♫」
双葉は黒木の隣にくっついて、彼の手を握る。
黒木
「…?双葉さん?」
双葉
「…これからもよろしくね、黒木さん」
黒木
「…はい、双葉さん」
聡
「イヤーッ!!!」
突然聡は奇声を上げる。
細田
「ど、どうしたの聡さん?」
聡
「アティシのスベスベプルルンフィンガーを包丁で切った!!…と思ったけど、間一髪で避けれたみたいね!!流石はアティシ!!」
細田
「ハァ…本当…大袈裟な人ね…」
聡のオーバーリアクションに一同は笑う。
何でもないただの一日。それでも、ほんの少し色を付けるだけで特別な日へと変わる。
そんな楽しい日常へと変えてくれる大切な人達といつまでもいたい。双葉はこの瞬間に心が満たされるのであった。
本日Re:LIGHTは、連載一周年+エピソード100を迎えました。ここまで継続出来たのも、読者の皆様のおかげです。一周年を記念して、Re:LIGHTの誕生経緯を活動報告にて書かせていただきました。ご興味ありましたら、お読みください。
これからもまだまだ黒木と双葉の物語は続きます。
Re:LIGHTをどうぞ、よろしくお願いします。