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爆ぜろ!イケメン!!

鋭い眼光に長く尖った耳。口元を隠す緑色の布。

獣の毛皮と僅かな鉱石でできた服を着たこの青年の名はクリス。

森の民と云われるエルフである。


エルフには複数の部族があり、弓を得意とするラテリア族。剣を得意とするグラーツ族。槍を得意とするデシトリア族がある。

どの部族も非常に高い魔力を有する種族で、得意とする武器に魔力を込め戦うのである。


歳は今年で20歳。

彼は日課である狩りを終え、ついでに最近活発化してきた魔物が村の近辺にいないか周辺を探索していた。



「なんだ…あいつは。」



大樹の上から見下ろす先には全裸で獣に追われる人間の姿があった。


あれはビックボヤード。最大で3メートル、体重800キロにもなる大猪である。あのビッグボヤードもそれに近いかなりのサイズだ。

しかし気になるのはあの全裸の人間。


ビッグボヤードの脚力で追いつけない人間は初めて見る。

ビックボヤードはあの巨体でかなりの速度で走るのだ。

加えてここはエリヌーンの大森林。

時々冒険者が訪れる事はあるが、単身でこの森を歩くのは例え森を良く知るエルフでも危険である。



仲間と逸れたのか?

それとも犯罪でも犯して逃げて来た?

しかし、なぜ全裸なんだ?

とりあえず助けるか?


クリスは背にある矢を握ると弓を引き絞り狙いを定めた。





「おかしい…。」


そう。おかしいのだ。

あの人間はかなりの距離を全力で走っているのだが、全く疲れている様子がない。

そしてあの表情…。なんだあの危機感のない顔は?




結果的にクリスはこの男をビックボヤードから助ける事はなかった。


エルフは基本、同種族以外との交流を殆ど行わない。

森を出て他種族と共に暮らす者も多いがエルフはその美しい外見と高い魔力のせいで犯罪に巻き込まれる事が多いからである。


だがクリスはそれが理由で助けなかったわけではない。

矢を放つ瞬間、男の放った一撃でビッグボヤードの身体は跡形もなく消し飛んだからである。




し、信じられん!

なんだあの人間は!?

…危険だがすぐ近くは村だ。そのまま放置すればいずれ村にも危害がある可能性がある。

まずは接触するべきだな…。


クリスは大樹に絡む蔓を器用に伝い地面に降りた。




「おい、お前は一体何者だ!この森で何をしている?」


拳を突き出したまま目が点になって微動だにしない男にクリスは言い放った。

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