救世主はイケメン
短くてすいません…
「うわーーわー!何なんだそいつー!?気持ち悪いー!ねばねばギトギト!臭い!臭いよっ!」
「うるさいっ!静かにできないのかお前っ!」
毒霧の中、健一郎はただただ混乱していた。
視界の悪い中、頼りのヘスより強い魔物がいる。この世界に来て初めての恐怖。
ゲームの世界ではコンテニューがあるが、この世界は仮想ではない。
死ぬかもしれない。毒で?生きたまま喰われるかもしれない。
嫌だ!まだ死にたくない!何もしてないじゃないか!
「健一郎!落ち着け!」
ヘスは健一郎の肩を掴んで声をかけるが、健一郎の目は虚だ。
ヘスには麻痺と猛毒の状態異常の症状が現れていた。
仲間達が倒れていくのを視界に入れながら、ヘスは健一郎を先ず助けなくてはならないと行動していた。
ありえない。自分でもわかっていた、だがそれが皆を救う為の最善だと直感したのだ。
こいつなら俺達の願いを…。
ヘスほ胸元から青い液体の入った瓶を取り出すと、一発健一郎の顔面に力いっぱいの右ストレートを繰り出す。
「お前、これで治らなかったら…マジで許さねーからな!!」
ヘスは健一郎の口に無理矢理液体を捻じ込む。
ヘスは普段から必ず一瓶だけ回復薬と解毒薬を持参していた。
様々な材料を必要とするポーション【回復薬、解毒薬など】は、回復職が使うスキルと同じ効果を与えるが故に非常に高価なのだ。
それは回復魔法を習得していない者にとって必須と言っても過言ではないアイテムである。
「うっげ!まず!おえぇぇ!!」
解毒薬を飲んでのたうち回る健一郎を、赤黒いスライムはうねうねと形を変えながら静観していた。
スライムは知能の低い魔物だ。
だが、悪魔の涎は違う。最上位に位置するこの魔物は単独で行動する事ができる。
必要な餌を自ら狩る事ができる。
いや、弱者から強者へと長い時間をかけて成長した過程で学んだのだ。
ただ、強い者だけが生き残れる。
謂わば昆虫に近い生物本能なのかもしれない。
感情などなく、ただ敵は殺し捕食し力にする。
悪魔の涎は生物的本能で敵の"優先順位"を初めて見た時から決めていた。
「こいつは最初に殺さなけばならない。」
あの人間はまずい。
自らが設置した罠が無意味だったからだ。
主人公の影薄くない?




