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ネバネバのあいつ、実は強い奴

「嘘つくなよ…。レベル5でそんな数値聞いたことないぞ。」


ヘスは健一郎を見ながらニヤつく。


「いや、ホントなんですって!これ凄いんですよねっ!?」


()の数値はこの善人てスキルのおかげかな?それとも武神の加護?

てか、やぱあのムキムキの神様肉体派だったんだな!


「本当ならヤバいね。強すぎる。まぁ、無闇にステータスは他人に教えるもんじゃないよ。厄介ごとになるし、有名になると対策もされるしね。」


ヘスはそう呟くとジハーマドに目を向ける。


「うむ、そうじゃな。まぁ、その身体じゃと接近戦に長けているじゃろう。これを使いなさい。」


ジハーマドは近くにいた若いエルフに声をかける。

待ってましたと言わんばかりにそのエルフは巨大な斧を引き摺りがちに俺の前に差し出した。



「おぉっ!斧!戦斧!?なんかすごくデカくないですか?」


鈍く光る斧は、そこまで上等な造りとは言い難いが木こりが使う様な代物ではない。

とにかく、デカい。


「昔狩った魔物が持っていた武器じゃ。お主より大きな奴じゃったが…扱えるじゃろ?」


ジハーマドはそう言うと片目を閉じて健一郎を見つめる。



木と鉄でできたであろう簡単な造り。

刃こぼれも目立つが、その大きさから繰り出される一撃は斬ると言うより潰すと言った方が正しいだろう。

刃部分だけで、二メートル以上ある健一郎の身体の半分はある。

破壊力は相当なはずだ。



「お!なかなか重いですねこれ!」


斧を受け取った健一郎は片手で振り回す。


「なっ!!?」


凄まじい暴風が周囲を薙ぎ払う。




至極当然のことである。

健一郎の身体能力は【武神の加護】により常人では到達できない領域にある。


周りのエルフ達が驚愕するなか、ジハーマドは予感していた。

この男は普通とは違う。

それは人間、ということではない。

人間ともまた異質。

数千年を生きた魔導士であるジハーマドは自らが持つ魔眼ですら見通す事のできない者は稀であった。

その多くは敵であったが。




この男はきっと…。




「おおっ!!いいですねこれ!戦斧か。うん!勇者なんて剣持ってカッコつけてる奴だもんな。エクスカリバー?ふっ…真の男をわかってねぇぜあいつ…。」


巨大な斧を肩に乗せて健一郎はニヤリと笑う。

振り回した反動で上半身の服は消し飛んでいる。





「す、すげぇなお前…。トロルの武器振り回す奴なんて初めて見たよ。これなら大丈夫…と言いたいところだけど、今回の敵にはちょっと…いや、だいぶヤバい問題があるな。」


ヘスは健一郎に素直な称賛をするが顔色は暗い。



「え、なんかめちゃくちゃ強い魔物なんですか?」


なんだろう。

トロルを倒した事があるということはそれより強いって事?

俺がやってたゲームだとトロルは中級レベルの強さだった。

動きは遅いが耐久力と一撃の威力は凄まじい敵。

一体どんな魔物なんだ…。



「そ、その…今回探す魔物って…なんなんですか?」


ごくりんこと聞こえそうな程、健一郎は大きく唾液を飲み込む。







「物理攻撃に完全な耐性を持つ魔物。【スライム】さ。」


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