僕と彼女の物語。
言葉選びや比喩表現、誤字などおかしいところが諸々ございます。ご容赦ください。
(この作品はフィクションです。実在の人物、団体などとは関係ありません。)
夢を見た。1人の少女が闊歩する。まるで青空のもと、草原の上を散歩するように。しかし、周りの風景は異質で。違う。少女の方が異質だった。崩れた建物。割れた地面。明らかに少女が足取り軽く歩くには似つかわしくない。いつかのテレビで紛争地を扱った番組を見た。少女が散歩していた場所はまさにその景色だった。そんなことを思った直後、少女が振り返って、「微笑んだ」。
「おはようございます。7月7日水曜日。今日のニュースは…」
朝からけたたましく騒ぐキャスター。そんな騒音の中、僕はトーストをかじった。
「ほらほら。シャキッとしな!」と母親。これが幼馴染か、妹か。どちらかなら快くその命令にも従えたのだが。。現実はそうはうまくいかないもんだ。実際、僕には幼馴染も妹もいない。だから母さんが毎朝起こしてくれてるわけだが、やはりうっとうしく感じてしまう。
母親の戯言に耳を貫かれ、現実から逃げようとニュースを見る。今朝からむしむしと感じていたが、なるほど今日は猛暑らしい。僕が住んでいる横浜県は今日最高気温が三十度を上回るようだ。暑いのは嫌いだ。かといって寒いのも得意ではないが。というよりも過ごしやすい時期というものは僕には存在しない。春には花粉が空中に蔓延り、夏は熱気が身体中に纏わりつく。秋は肌が乾燥してガサガサになるし、冬は寒い。あえて言うなら、4月の中旬あたりから5月上旬あたりが一番過ごしやすい。花粉はあまり飛ばないし、そこまで暑くもない。しかし、今は7月上旬。ここからは地獄が続く。。
そんなことを考えて辛気臭い顔をしていると、
「グダグダしてないでさっさと準備しな!」と怒号が鳴り響く。僕はスロースターターなんだよ。。
これ以上母さんを怒らせるのは得策ではない。急いでトーストにかぶりつき飲み込む。少しむせたが母さんの怒号をもう一度食らうよりかは幾分ましだ。母さんのもとを逃げ出すように洗面所に行き、顔を洗う。今日は水曜日。一週間の折り返し地点だ。そして、思い出す。我らがクラスの英語の先生は毎週水曜日に小テストを行う。はいっ、詰み!。しかも今日の小テストは合格点未満の生徒は居残りの補修を強いられる。終わった。。
母さんに予告宣告しておこう。 「現在の時刻は6時30分です。続きまして…」 さっきまで怒号が響いていた部屋から嘘とも思いたい情報が流れてきた。ちなみに僕は電車通学している。始発から三本目の電車で発車時間は、なんと6時50分。ついでに駅までは原付に乗っていて、それでも15分前後の時間がかかる。つまりもう家を出発しないと完全に遅刻する。
急いで朝の工程を処理していく。歯磨き。着替え。「教科書という名の呪いの書物」と「母親の愛情と怒りが混沌に混じり合った弁当」を素早くリュックにぶち込んだ。履きなれた靴にかかとを通し、「行ってきますっ!!」と吐き捨てる。背後からは「いってらっしゃ~い!」と。さっきまで般若のような形相で咆哮していたのに、今は天女のように柔らかい笑顔で送り出してくれる。まさに母親の鑑のような人物だ。
原付にキーを指し、回し、エンジンをふかす。アクセルを捻り、出発する。
「発車します。閉まるドアにご注意ください。発車します。閉まるドアにごty… ダンッ!」
ギリギリセーフ。。周りからの視線は痛いが遅刻することに比べたら全然マシ!! あいにく席は埋まっていたので適当な位置にポジションを構える。
小テストに向けて勉強をしようとも思ったが、面倒くさいからやめた。スマホにイヤフォンを接続し、音楽を聴く。僕の毎朝のルーティーン。お気に入りの音楽を聴きながら、窓から街並みを見回す。はぁぁぁ、今日もいい天気だこと。。 商店街には大きな笹が鎮座していた。そして所々に色とりどりな長方形の紙切れが散りばめられている。あ、そうか! 今日は七夕。織姫と彦星が一年に一度だけ出会うことを許され、天の川のほとりでイチャラブするという。 神様、今日だけは天の川までもが氾濫を起こすレベルの過去最悪の豪雨にしてくれ!
くだらないことを考えていたが、憎たらしい青空から視線を外した瞬間。一気に僕の心まで青空に晴れ上がった。それほどまでに綺麗で、可憐で、華やかな。そんな「少女」。
「彦星の夢。織姫の色[1]」をお読みいただきありがとうございます。
始めは少年少女の純愛ラブストーリーを描く予定でしたが、ネットでアニメやイラストを漁っていたところ、無性にSFや非科学的な要素を付け加えたいと思い、このような作品になってしまいました。 少々「イタい」と感じてしまうところがあると思いますが、多少は目をつむっていただきたい所存であります。
そしてこの作品は数々の有名作家様にインスパイアされて作成しました。言葉選びや比喩表現。さらには内容など少しかじることがあります。しかしながら、決してパクリ作品を作りたいという意志ではないことを、是非とも理解していただきたい。
今後とも「彦星の夢。織姫の色。」をよろしくお願いいたします。
(今後の文章内で下品なワードが出現する可能性がございます。どうぞお気をつけて^^
それともう一つ。今後更新の頻度は不定期ですのでご注意ください。)