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特別処刑人  作者: 柳りょうこ
1/1

特別処刑人-1-

時代は21世紀後半――


日本での犯罪は増加の一方を辿っていた。

特に殺人事件に関しては残虐性も年々増していて、日々テレビやネットではその事ばかり取り上げられていた。

けれど、どれだけ残虐性が増しても日本の法律はいい方向には変わらなかった。

旧時代と何ら変わりのない制度…護るべき被害者遺族はメディアによって晒し者にされ、加害者家族は規制と言う名で護られていた。

そして、犯罪者に対する刑罰も旧時代と何ら変わりがなく世間の不満の声は増すばかりだった。

特に残虐な殺人を行った者に対しては、死刑でも生温いと言う声は強まっていった。


『何も悪くない被害者は散々苦しめられた挙句残虐に殺されたのに、殺人犯は一瞬の首吊りだけで終わらせるなんて余りにも軽すぎる』


逆に死刑になりたくて殺人を犯す者も増えて来るものだから、余計に殺人事件は後が立たなかった。





そんなある日。一人のとある議員が声を上げた。

『自分が行った殺人の罪は、その身で受けるべきだ。だから殺人犯は被害者と同じ方法で殺しても良いように法律で決めよう!』

最初はそんな倫理に反した事を法律で決めるなんてとんでもない・と反対の声が圧倒的多数を占めた。

しかし、その議員はどのような方法を取ったかは分からないが、あれよあれよと言う内に万全な下準備を進めて、そしていつの間には賛成多数でその法案は通ってしまった。

旧時代の死刑制度は廃止され、新たに設けられた死刑制度は…



殺人を犯した者は、誰もが例外なく『国が選んだ処刑人達』によって被害者と同じ殺害方法で殺されると言うものだった。



これに伴い、刑務所とは別に新たに『死刑執行所』と言うものが作られ、東京ドームがいくつも入りそうな広大な敷地の中に対象の受刑者を全て収容し、管理される事になった。

一般人どころか警察関係者ですらも入る事の出来ないその場所には、様々な殺人に対応できるように無数の道具や部屋が設けられていて、その中で日々多くの受刑者の死刑が執り行われていたのだった。



――しかし、この死刑を執り行っている『国が選んだ処刑人達』の全貌は明らかにされる事がなく、その正体を知る者は一部を除いて誰もいなかった――





高い塀と頑丈なセキュリティで護られた死刑執行所には連日多数の人間が押し寄せていた。

「殺人犯とは言え、更生のチャンスも与えずに殺すのは横暴だ!」

「死刑反対!」

プラカードを掲げて叫んでいる人達は、所謂『死刑反対派』の団体で死刑執行所が設立された当初から毎日のようにデモを起こしていた。

でも、そんな団体に対してそれ以上の人数の団体が対立をしていた。

「殺人犯なんて皆殺されて当たり前だ!」

「何が更生だ!鬼畜に人権なんてあるわけないだろ!」

「この死刑制度こそが正しい!」

「お前らは自分の家族が理不尽に殺されても同じ事が言えるのか!」

怒声が飛び交う中でフラフラと一人の女性が歩いて来たかと思うと、涙を流しながら死刑執行所の高い塀の前で膝を付いた。

「有難うございます…弟を殺した犯人を弟と同じように殺してくれて…弟も天国で喜んでいます!」

涙声でそう叫びながら胸に笑顔の幼い男の子の写真を握りしめながら頭を下げていた。

一方で、高くて頑丈な塀を何度もガンガンと叩いて血眼になって叫んでいる年配の女性がいた。

「この鬼畜!人でなし!私の息子を返してよ!あの子は本当は良い子だったの!それなのに一度過ちを犯しただけで殺すなんて酷いわ!しかも遺骨さえも捨ててしまうなんて…」

そう叫んでいる年配の女性に死刑を肯定している団体が白い目を向けていた。

「お前、何言ってんの?」

一人がそう言うとその団体は年配の女性を取り囲んだ。

「そこで泣き崩れている女性の弟さんは、幼くしてアンタの息子に理不尽に将来を奪われたんだ。それ相応の報いを受けるのは当然だろ?」

「やっぱり基地外の親も基地外だな。おーい、処刑人さん達~世の中の為にこのおばさんも殺してよ」

そんな風に口々に年配の女性を罵倒しながら、大人数で取り囲んで年配の女性に向けて色んな物を投げつけ始めた。

勿論それを見た死刑反対派の団体が黙っているわけがなく、止めようとしたが年配の女性を取り囲んでいる一部の人間がそこに立ち塞がった。

「こ、こんな酷いことは止めるんだ!」

死刑反対派の一人が少し震えながらも勇気を振り絞ってそう抗議すると、立ち塞がった人間が泣き崩れている女性を指差した。

「そこの女性の弟は、あのおばさんが産んだ悪魔によって殺されたんだ。これは正義の裁きなんだよ。国がそれを認めてるんだよ」

「だ、だからと言って…」

「じゃあ何か?お前は悪魔を産んで育てた奴を助けんのか?もし、お前の家族が悪魔に殺されてもその身内を助けれるのか?」

まるで叩き伏せるようにそう言われてしまえば助けようとした人達は言葉を濁してしまった。

「そ、それは…」

死刑反対派の人達もそこを突かれてしまうと何も言う事が出来ずにただ項垂れる事しか出来なかった。

「罪を犯した者は同等に罰せられる…これこそが正義なんだよ!」

誰もがその言葉を叫ぶ中で、大人数に攻撃をされてボロボロになりながらも年配の女性はポツリと呟いたが、その言葉は誰の耳に届く事もなかった。

「確かに、あの子は赦されない事をした…でも、それでもあの子は私のたった一人の息子で宝物だったのよ…」






そんな状況が監視カメラのモニターで映されていて、それを見ていた人達はそれぞれに違う反応をしていた。

「また外で何かやっているよ」

そう言って笑う男もいれば

「何が正義だ。馬鹿馬鹿しい」

そう言って冷たい目を向ける男もいれば

「……」

興味も示さずにただスマホを操作している女もいれば

「あら?今映ったあの子、凄くタイプだわ」

全く見当違いの事を言う男もいた。


そして…

「はい…そうですか、分かりました」

スマホに来た着信に出て一言そう告げてすぐに切った女性は、抑揚のない声で淡々と告げた。

「『仕事』するわよ」

その言葉に全員が一斉に表情を変えると返事をする事もなく連なってその部屋を出たのだった。







その部屋は冷たいコンクリートで囲まれていて窓一つないが、所々に夥しい血痕や何か得体のしれない液体がこびり付いていた。

そんな部屋で一人の男が両手両足を縛られた状態で転がされて放置されていた。

「おい!ここから出せよ!」

必死にそう叫ぶ男の目の前に一人の女性が現れた。

「…誰だよ、お前」

長くてサラサラとした黒髪を一つに纏めて、上下とも黒いスウェットを着て黒い靴を履いたその身体は服越しにでも分かる位に鍛えている事が分かる美しい身体をしていた。

そして顔も長い睫にスッと筋の通った鼻、そして薄い桃色の形の良い唇で…ハッキリ言えば街を歩いていれば注目を集める程の美女だった。

しかし、その目は氷のように冷たく自分を睨み付ける男に淡々と告げた。

「私は今回死刑執行を担当する花宮陽菜(はなみやひな)と言います。

京ノ橋太郎…貴方は仲間と共に通りすがりの当時高校一年生だった河相愛莉さんを自分の欲を満たす為だけに拉致して壮絶な暴力行為、そして性行為を強要して最後は理不尽に殺しましたね。

それは赦されざる犯罪…よって今ここで貴方は愛莉さんが受けた分と同じだけの報いを受けて死んでもらいます」

転がされている京ノ橋の顎をつま先で持ち上げて見下しながらそう言うと、男は馬鹿にしたように鼻で嗤った。

「アンタみたいな綺麗な姉ちゃん一人でか?ハッ、出来るワケねぇだろ」

「誰が私一人だと言った?」

陽菜が感情の読めない表情でそう言ったのと同時に背後から陽菜と同じ格好をした四人の人間が姿を現した。

「担当は私だけど、死刑執行は私を含めた五人で行うのよ」

京ノ橋から離れた陽菜は四人の真ん中に立ってそう告げたが、京ノ橋は四人のメンバーを見て表情を変えた。

「あ、アンタらは…」

「もしかして俺らを知っちゃってるの?」

金髪で耳にはピアスを複数空けて如何にも遊び人ですと言う風体なチャラチャラした細身でイケメンな男が明るい声で尋ねると、京ノ橋は声を張り上げた。

「お前あれだろ!総勢50人以上の女性を誑かした挙句保険金掛けて自殺に見せて殺した凶悪犯、鴻崎(こうさき)つかさだろ!」

「ピーンポーン、ご名答」

自分の罪状を告げられてもつかさはあっけらかんとした顔で明るい声で笑った。

「で、お前は推定100人以上は殺害していると言われる今世紀最悪の殺し屋、鞍野漣(くらのれん)!」

次に京ノ橋が叫んだのは、服の上からでも分かる位に鍛え上げられた身体だが決してムキムキではない所謂細マッチョで真っ黒な髪で前髪が長く殆ど隠れているが鋭い目つきをした男だった。

「ども」

漣も特に動揺する事無く軽い調子で頭をペコリと下げた。

「んでお前は、独自で作った毒薬を他人の食べ物に無差別に投与して何十人…否何百人の命を無差別に奪った凶悪犯、玖須野麻鈴(くすやまりん)!」

「君、犯罪者に詳しいんだねぇ」

京ノ橋の言葉に麻鈴は感心したように目を輝かせた。

茶髪のボブで前髪をシュシュで括って額を出した髪型で、スタイルは中学生…下手をすると小学生にも見えなくない位にストンとしていて、それと相まって麻鈴の顔も幼く身長は陽菜と変わらないのにまるで小学生のようにも見えた。

「それからお前!お前はそれこそ被害人数が特定出来ない位に老若男女問わず強姦した今世紀最悪の強姦魔、郷沢隆文(ごうざわたかふみ)!」

「私もどれだけの子をヤったのか覚えてないわ」

ニヤニヤしながら京ノ橋をまるで舌なめずりするように見つめる女言葉を使う男は、スキンヘッドで分厚い唇に気味が悪い位に大きな目、そしてまるでボディービルダーを思わせるような筋肉粒々の身体に身長も2mを超える位の大男だった。

正体を明かされても四人とも平気な顔していて、それが信じられずに京ノ橋は声を荒げた。

「何でお前らみたいな極悪犯に、俺が裁きを受けて殺されなきゃなんねぇんだよ!お前らもこっち側の人間だろ!」

そんな京ノ橋の言葉に陽菜は呆れたようにため息を吐くと、無造作に髪の毛を掴んで引っ張り上げた。

「痛っ!」

「ゴミの始末はゴミにさせるのが一番効率が良い…それだけよ」

陽菜の冷酷な言葉に京ノ橋はヘラッと笑った。

「だったらさ、俺もそっちに入れてくれよ。いい仕事するからよ」

しかし京ノ橋の言葉に陽菜はニッコリと綺麗な笑みを浮かべると京ノ橋の耳元でこう囁いた。



「アンタは利用価値のないゴミ、アイツらは利用価値のあるゴミ。国が『そう』決めたのよ」



陽菜の言葉に、つかさは「そうそう」と言いながら自分の首元を指差した。

「その証拠に俺らにもアンタらが付けられているのと同じ首輪が付いているだろ?ココに来た時に説明受けたと思うけど、フツーはこの施設で少しでも意に反する事をすればこの首輪から致死量の毒が注入されてあの世行き。

でもって俺らの場合は、少しでも意に反するオシゴトをしたり逃げようとしたり、その他諸々このキレーなお姉さんのご機嫌を損ねる事をすれば同じようにお陀仏になんの。

この子は、俺らの監視役ってところかな」

そう言いながらつかさが陽菜の肩に触ると、陽菜は不愉快そうにその手を払いのけた。

「汚い手で触らないで、このゴミ屑」

「おー怖っ」

ギロッと睨み付けながら陽菜にも怯む事無くつかさは両手を挙げてへらへらを笑っていた。

「無駄話が過ぎたわね。それじゃあ、これから死刑を執り行います。くれぐれも『シナリオ』通りに進めるように…良いわね?」

陽菜がそう告げると、四人はそれぞれに返事をして各々指定された道具を持って配置についた。

「や、止めてくれ…止め…うわあああああああ!!!」



そして、何時間も長い間京ノ橋の断末魔は冷たいコンクリートの部屋中に響き渡ったのだった。






「じゃあ後の始末は宜しく」

変わり果てた姿で無残に死刑された京ノ橋の死体を一瞥しながら陽菜は待機していた遺体処理班にそう告げると、誰も返事をする事無く淡々と作業を開始した。

「相変わらず不気味な団体よね~アイツら」

そんな姿を麻鈴は胡乱げに見つめながらそう言うと、隆文はクスッと笑った。

「仕方ないわよ。だってあの子達も元は私達と一緒の殺人犯だけど、薬と催眠術で完全に洗脳された心が死んだロボットですもの」

隆文の言葉につかさはカラカラと笑った。

「あー良かった。俺、あっち側の人間じゃなくて。なぁ漣」

「興味ない」

腕を肩に回して気さくに話してくるつかさに対しても漣は特に興味がなさそうに切り捨てた。

「お前相変わらず暗いよなぁ~絶対モテなかっただろ?」

冷たい漣の言葉につかさは不服そうな顔でそう言ったが、漣はそれでもつかさに興味を持つことはなかった。

そんな四人と距離を取って陽菜は纏めていた髪を解くと口を開いた。

「今日はこれで終わりだから。後は精々羽目を外して殺されない程度に好きにしなさい」

そう告げると陽菜は踵を返してさっさと部屋を出て行った。

陽菜の姿が見えなくなってから、麻鈴はムスッと頬を膨らませた。

「陽菜ちゃんっていつも私達の事ゴミのような目で見るよね。確かに陽菜ちゃんだけはこっち側の人間じゃないけどさ」

麻鈴の言葉に隆文は苦笑を浮かべた。

「まぁ仕方ないわよ。実際私達はこの仕事をする事で辛うじて生かされている人間なんだもの」

真っ当な隆文の言葉に麻鈴は不服そうに「それはそうだけど…」と呟くと、つかさが真顔になって陽菜が出て行ったドアを見つめた。

「けどさ、こう言っちゃ悪いけど、ある意味この中で陽菜ちゃんが一番狂っているよな」

つかさの言葉に麻鈴は不思議そうに首を傾げ、隆文と漣はピクリと眉を潜ませた。

「つかさ、アンタ…陽菜ちゃんの事、何処で知ったの?」

隆文の問い詰めるような厳しい声色に、つかさは苦虫を嚙み潰したような表情を見せた。

「そんな顔しないでくれよ、隆ちゃん。こう言う話って知っている奴は知っているもんなんだぜ…特にこの施設内の人間はな」

「ねぇ、何なの?その陽菜ちゃんが狂っているって?」

麻鈴の問いかけに隆文は困ったように首を捻った。

「う~ん…あんまりこう言うのって下手に言いふらすのは良くないとは思うのよね~」

「でもさ、これからも一応形だけでも一緒に仕事していくナカマなんだし、ある程度の事知っておく必要はあるんじゃね?」

頭を悩ませている隆文に向かってつかさが軽い調子でそう言うから、そんなつかさを隆文はギロッと睨み付けた。

「だったら言い出しっぺのアンタが麻鈴ちゃんに説明しなさいよ。私は知らないから」

「え~!?」

隆文に冷たく突き放されつかさは不満の声を上げたが、隆文はそれ以上は知らないと言わんばかりにフンッとそっぽ向いてしまった。

「ねぇねぇ!つかさ君、ちゃんと私にも分かる様に説明してよ!」

一度興味を持ち出したらシツコイ麻鈴にせがまれて、つかさはめんどくさそうにため息を吐いた。

「分かった、ちゃんと麻鈴ちゃんにも説明するから。陽菜ちゃんはね…」






一方、自分の事を話題に出されているなんて夢にも思っていない陽菜は、自分専用に設けられた一人で過ごすには広すぎる部屋でシャワーを浴びて返り血を全て落とすと、仕事着で着ていたスウェットを下着と一緒に乾燥までしてくれる洗濯機の中に放り込んだ。

そして、自分の私物が収納されている大人が十人以上入りそうな位に大きなクローゼットから新しい下着と私服を取り出してそれを身に付けた。

そんな時、ダブルの広いベッドに放置しているスマホが鳴り響いて陽菜はスマホに表示された名前を無表情に見つめ、そして通話ボタンを押した。

『もしもし。今仕事終わったんだけど陽菜は?』

スマホ越しに聞こえて来た男性の声に陽菜は一瞬不愉快そうに眉根を潜めたが一つ息を吐くと別人のように表情を変えた。

「私も今仕事が終わったところよ」

『そうなんだ。じゃあさ、これから一緒に飯でも食いに行かない?良い店を見つけたんだ』

「うん、行きたい。聖陽(まさあき)君にも会いたいと思ってたところだし」

陽菜が可愛らしい声でそう言うと、電話越しに聖陽と呼ばれた男は嬉しそうに笑みを零した。

『俺も、陽菜に会いたいと思ってた』

「本当?嬉しいわ」

しかし、その明るくて可愛らしい声で笑顔で話す陽菜の目は、まるで死んだように虚ろになっていたのだった。







「十年前。まだ今の死刑制度が出来る前に、陽菜ちゃんは目の前で両親を一人の人間に殺されたんだ。しかも、その犯人は両親の死体の横でまだ幼かった陽菜ちゃんをレイプした」

つかさから告げられた陽菜の過去に、麻鈴は固唾を呑んだ。

「その犯人って…勿論死刑になったんだよね?」

麻鈴のその問いかけに、つかさは静かに首を横に振った。

「当時、その犯人はまだ高校生で未成年だった。しかもその犯人の両親が国の権力者だったからその事は揉み消された。勿論それだけの殺人事件だからニュースにはなったよ。

でも、表向きは犯人は捕まってないままで消されたんだ」

「そうなんだ…だから陽菜ちゃんは私達みたいな殺人犯を毛嫌いしているんだね」

麻鈴がしゅんっとしたように肩を落とすと、つかさは小さく首を横に振った。

「それもあるだろうけど、それだけじゃない。どうやったかは知らないけど、一人生き延びた陽菜ちゃんは絶大な『協力者』を味方に付けて名前を変えて顔を変えたんだ…ある目的の為に」

「ある目的って?」

「勿論、自分の両親を殺して自分をレイプした殺人犯への復讐の為にだよ」

いつもおちゃらけているつかさが真剣な表情でそう言うから、麻鈴も思わずビクッと肩を小さく震わせた。

「じゃあ陽菜ちゃんは、今その相手に復讐する機会を狙っているって事?」

麻鈴が尋ねると、つかさは小さく頷いた。

「しかも、もうその相手の懐に入り込んでるんだ」

「それってどう言う意味?」

緊張で乾いた喉を潤すかのように無意識にゴクリ…と麻鈴が唾を飲み込んで問いかけると、つかさは真剣な表情で衝撃の事実を告げた。




「陽菜ちゃんの今の恋人が、陽菜ちゃんの両親を殺して幼い陽菜ちゃんをレイプした犯人なんだよ」






【続】

初めまして。

今回初めて一次創作のしかもダークなお話を書かせて頂きました。

(これまでは別サイトで二次創作の方で書かせて頂いております、現在進行形で)

人によっては大変不愉快に思われる内容だと思いますが、一生懸命書きたいと思いますのでお手柔らかに宜しくお願い致します。

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