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三題囃  作者: 晴間あお
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三題囃(グラウンド、路地、障子)

今回のお題は「グラウンド」「路地」「障子」でした。

時間をはかるのを忘れていたけど、たぶん1時間くらい。

意識して短めに。

 学校のグラウンドに障子が落ちていた。

 それも二枚きれいに並んでいる。近づいてよく見るとただ落ちているだけじゃない。動かせるように木のレールにしっかりとはめ込まれ、地面に埋まっている。開けて下さいと言わんばかりだったので開けてみた。

 少し開いてみるとその先には地面はなく、闇としか言いようがない空間が広がっていた。近くにあった小石を投げ入れてみた。いつまで経っても小石の当たる音は聞こえない。どうやら底なしのようだった。

 ぼくは障子を閉めてから少し考えた。とにかくこれは危険だ。知らない人がふざけて障子を踏んだら、そのまま障子を踏み抜いて闇に落ちてしまう。ぼくはとりあえず先生を呼びに行く事にした。しかし、職員室から先生を連れて戻ってきたら障子は消えていて、たいらな地面があるだけだった。

 

 先生に心配されてしまった。疲れているのなら早退してもいいぞ、と言われる始末だった。いえ大丈夫です、と断ってぼくは学校に残った。そして放課後がやってきて、ぼくは帰路についた。

 家へ帰る道の途中、ぼくは再び障子を見つけてしまった。人通りの多い道を歩いていた時の事だった。ふと小さな路地のほうを見ると、突き当たりの雑居ビルの壁に障子があったのだった。雑居ビルはもちろん和風なわけではなくコンクリート造りだ。本来そこには灰色の壁があるだけのはずだった。ぼくは奇妙に思って近よってみた。やはりただ壁に立てかけられているだけではないらしい。障子はしっかりと壁に埋め込まれていた。ぼくは障子を開けようと手を伸ばした。その瞬間、障子がゆっくりと勝手に開き、数センチだけ隙間ができた。向こう側はやはり闇だった。いや、違う。何か、かすかに光っている。そして光は少しずつ、近づいてきていた。

 それが人の目だと気がついたとき、ぼくはその場から逃げ出していた。


 ぼくは家に帰ってすぐ自分の部屋に滑り込んだ。そのままベッドに倒れ込む。

 やっぱり先生の言うようにぼくは疲れているのだろうか。

 スマホから通知音が聞こえてぼくはホーム画面を見た。

 LINEにメッセージが届いていた。友達からだった。

「先生から聞いたぞー、グラウンドに障子が落ちてるわけないじゃん。先生マジで心配してたよ(笑)」

 友達からのメッセージは続く。

「我が家のネコを見て癒されるが良い」

 そのメッセージの次には間抜けな格好で眠っているネコの写真が送られてきた。

 まったくくだらない。ぼくはネコを見て笑いながら仰向けになった。

 そしてぼくは気がついた。

 天井に少し開いた障子があり、その隙間から、何かがぼくに視線を送っていた。

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