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時を遡る男  作者: 秋
9/30

遅刻

―――――ピピッ


―――――ピピッ―――――ピピッ


ピピピピピピピピピピピピピピピピピ


部屋中に鳴り響く耳障りな目覚ましの音。


半ば寝惚けた状態で目覚ましを止めた。


昨日は中々寝付けなかったから寝不足だ。


約束の時間は12時。


それまでは散歩でもして気分を落ち着かせることにした。


香子の家の前を通ると何か違和感を感じた。


そうか、車だ。


いつもあるはずの車がこの日はなかった。


こんな朝早くから出掛けてるのか。


と疑問に思う程度だった。


それからはただぼーっと何もない道を歩いて過ごした。


気付けば12時まであとわずかとなっていた。


急いで待ち合わせ場所の公園へ向かった。


香子は時間に厳しい。


遅刻したら大切な一日が説教から始まってしまう。


なんとしてもそれだけは避けたい。


公園に着いた。


が、誰もいない。


時間は12時ちょうど。


香子が遅刻するなんてめずらしい。


めずらしいどころか初めてかもしれない。


10分が経った。


香子はまだ来ない。


ほんとうは二人きりで会うのが嫌っだったんじゃないか。


そう考えてしまうと電話をかけることもできなかった。


さらに10分が経った。


香子はまだ来ない。


いろいろなことを考えてしまう。


こうゆうときに考えてしまうことは悪いことばかりだった。


さらに10分が経った。


香子はまだ来ない。


ここまできたらいつまででも待ってやる。


そう心に決めた頃。


携帯が鳴った。


香子からだと確信して画面も見ずに携帯に出た。


?「遡田、落ちついて聞いてくれ」


その声は香子ではなく、時田だった。


時田「おい、聞こえてるか」


遡田「あ、あぁ・・」


時田「堂島博士と香子を乗せた車が崖から落ちたらしい」


遡田「え・・」


一瞬、時田が何を言ってるのか理解できなかった。


遡田「何の冗談だよ」


時田「おれは冗談でこんなことを言わない」


遡田「だってこれから香子と会う約束してるんだぞ?」


時田「香子はもうそこには来ない」


遡田「わけわかんねーよ」


時田「会って直接話す。今どこにいる?」


遡田「・・・」


時田「今どこにいるかってき


・・・。

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