居眠り
――――君、起きなさい。
――――君、起きなさい。
――――君。
――――君。
遡田君!!授業中よ!!起きなさい!!
――――ッ!!
自分の名前が大声で呼ばれたことでおれは目を覚ました。
教室の後ろには我が子の授業を受ける姿を見守る大人達。
今日は授業参観日らしい。
先生「授業参観の日に居眠りなんて恥ずかしくないんですか!」
恥ずかしいに決まっている。
小学三年生というのは多感なお年頃だ。
先生「私が今まで何の話をしていたか分かりますか?」
居眠りをしていたんだから分かるわけがない。
わざと答えられない質問をして恥じをかかせようとしているんだ。
遡田「つまらない授業を居眠りしながら受けられる方法はないんですか?」
仕返しに皮肉交りの質問で返してやった。
先生「まぁ!あなたは何でいつもそうやって!」
ふと黒板に目を向けると英語の文章が書いてあった。
『Time is money』
たいむ・・いず・・もねい?
先生「私はね!あなた達に時間の大切さを教えようとしていたんですよ!」
何かを怒鳴っているのは分かるがの内容は頭に入ってこない。
先生「時は金なり!授業中に居眠りをしてる暇なんてないってことよ!」
まだ寝惚けてるみたいだ。
授業の終わりを告げるチャイムの音が聞こえる。
よし・・今日も一日乗り切ったな・・。