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時を遡る男  作者: 秋
1/30

抜け殻

?「ついに完成したな」


?「あぁ、これが人類の夢だ」


一見ただの錠剤にしか見えない“何か”を見つめながら二人の男が話している。


?「名前は決めてあるのか?」


?「STK」


?「なるほどな、頭文字か」


?「ご明答」


?「もし売るとしたら国一つぐらいは買える価値があるんじゃないか?」


?「その前に誰も信じないだろ」


?「それもそうだな」


?「・・・」


?「すぐにでも使うか?」


?「そのための20年間だからな」


?「分かった」


二人の男は“何か”を手に取った。


?「それじゃあ、また、あの日で会おうぜ」


そしてお互い“何か”を口に入れ、飲み込んだ。


?「う、うああぁぁぁあああぁぁあぁぁぁぁ」


二人の男は頭を抱え苦しみ出し、倒れ込んだ。


ぴくりとも動かない二人の体はまるで、抜け殻のようだった。

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