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世界系うさぎとかめ。

 闇夜を切り裂く光の刃が東方より出でし刻白き獣が大地に立つ。


「我は最強にして最速!疾風地雷の雪兎アルミラージ!!」


 彼は朝露もまだ地に堕ちぬ緑の丘を駆け、魔を討ち晴らす気高き光を離そうとはしない水面に眼を奪われた。


「なんという神々しさだ!まるで我を讚美しているかのようじゃないか!」

「オメェ馬っ鹿じゃねぇ?」


 雪兎の耳に何か聴こえたが水面や畔を視たが視界には何者も映っていたかった。


「………ここじゃ」


 今まで岩と認識していた場所がユックリと動いた。


「!」

「オメェは俺を知らないだろうが俺はオメェを知っているぜ!」


 カメさんでした。


「ふざげろ!我を愚弄するきか?愚鈍のカメ風情が!」

「……愚鈍のカメ。オメェにしちゃ気の利いた渾名だな、だがなぁ愚鈍だから見える世界ってのもあるんだよ」

「我は幼少から速度を求めてきた。誰よりも速いとは誰よりも強いと同義!だから日々の鍛練を忘れず強者と戦い己とも闘い続けて勝者と名声を手にしてきた!なぜだか解るか?………解るまい!速さとは正義!光速を超えた刻に神に近く………いや我が絶対神となるのだ」


 うさぎは高らかに嗤いました。

 しかしカメは動じるとこは無くただ水面を見ていました。


「オメェはさぁそんなに急いで何処に行きたいんだ?………この水面を見て何か感じることはねぇのかぁ?」

「……つまり、愚鈍のカメが疾風の兎に勝負を挑んだと?くわぁはっはは!面白い特別に勝負内容を決めさせてやろう」

「なら………」


 カメは兎の耳元に話しかけました。


「なん………だとっ!」

「マジだ!」

「今すぐに決着をつけるのは容易いが………せめてもの慈悲をやろう。太陽が六つ沈み七つ目の光の矢を大地に打ち付けた刻にこの地で愚鈍なカメに神の鉄槌を落としてくれようぞ」


 うさぎとかめは一週間後に、競走する約束をしました。

 それは、マヤの予言にもヨハネの黙示録にも記されてはいなかったのでノストラダムスでも安倍晴明でも予言するのは出来なかったのです。


 そして約束の日。二人が出会ったあの湖畔近くの木の下でうさぎはカメを待ちました。


「市井の民よ!この勝負を眼をかっぽじって見てもらいたい!愚かにも愚鈍の象徴カメが我に競走しょうぶを挑んできた!」


 森の住人はこぞってカメの愚かさを嘲笑った。

 そして、雪兎の勝利を誰もがわかっていた………分かりきってきたのだ。

 ブックメーカーはオッズを出したが殆どの住人はカメに掛けようとは思っていなかったほどだ。


「臆せずによく来たなカメ」

「拙者はカメ。総てを恐れ愚鈍の象徴………だから世間から離れた生活をしている。だかな、孤独と孤高を履き違えるなよ愚民!」


 勝負は向こうのオホロ・デル・サラートまで早く到着した者が勝ちと簡単な内容だった。

 正に、口に入れたクッキーをミルクで流し込むより簡単な説明。

 だが、兎もカメも充分理解できた。


 くまはウィンチェスターM1892に弾薬を詰め込むと上方に向けて構える。


「位置についてヨーイ」

 ズキュュュュ~ン!


 兎は合図ともにカメに向かい魔力を放出した。


重力制御グラビティ・バインド


 カメの足下から黒色の鎖が伸びて地中に引っ張る。

 カメの周囲はすり鉢状に凹んだ。



「カメはカメらしく地面に這いつくばって我の勝利の姿を眺めてるが良い!」


 兎は先に出ました。


「………思ったより負荷があるが動けるな」


 兎はカメの甲羅をただの甲羅と勘違いしていたのです。

 カメの甲羅はタングステンよりも強力なミスリル鉱を鍛えた魔力に強い物だったのです。

 しかし両手足はバッチリ技が掛かってるので重くて仕方ありません。


「…………さて、重い一歩を踏み出すかな」


 一方兎は、オホロ・デル・サラート近くの木の下からカメの動きを眺めてました。


「このままゴールするのは簡単だが、ワザと追い付かせて目の前でテープを切るのも一興だな」


 カメは兎が見てるのを知っていましたが、脚が上手く動かないのでフラフラしていました。


「馬鹿なカメだ!あのまま倒れていれば楽に終わらせてやったのに」


 カメはやっと兎に追い付きました。


「兎よ俺の動きは見ていてどうだった?」

「滑稽だったよ!謝恩会の話題に協力を感謝かな」

「そうか………なら良かった」


 その言葉と共に兎は膝をついた。


「………なに?」

「俺がただ歩いただけだと思うなよ!幻影乱舞イリュージョンダンス

「眠け?馬鹿な……」


 兎はふらつきながらも駆けゴールのテープを切った。


 しかし、歓声はカメの勝利を称えている


「何故だ!先にテープを切ったの我だぞ!」

「兎よ、眼をかっぽじって見てみろ」


 兎は眼を擦り周囲を見るとやり取りをした木の下のまま動いてはいなかったのだ。


重力制御グラビティ・バインドを掛けた時点で既に兎は拙者の術中にいたのだからな」


 カメは兎のそばまで行った。


「兎よ、本当の敗因はなんだと思うか?」

幻影乱舞イリュージョンダンス?」

「いや、そんなのが無くても拙者は勝てたよ」

「?」

「いつか、話してただろ?『速さの限界を越える』ってさ確かに上を目指すのは良い事だとは思うが………時に足下も見ないとそこが弱点になるからな……」

「いや、我の傲りからくる物だ!今回は完敗したが次も上手くいくと思うなよ!鈍足の帝王」


 かくして、うさぎとかめ終演でござる。


さてダサさが匂うほどの物をやってしまったけど


完璧黒歴史狙いのやつです。


まだ、苦手いしきがあるから上手くいかないですね。



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